ども、しゃしゃ。
私は元受験生であり、今後受験する予定はないが、
入試問題の過去問は定期的に書店の参考書コーナーで読んでいる。
私の場合、物語を作るうえで理科系が大きな効果を生み出すうえ、
一つの一般常識という形で勉強している。
いつも通う書店で"駿台"の東大入試詳解18年物理を見つけた。
ほかにも数学や英語などいろいろあったのだけど、
「へえ、駿台も東大の物理だけに絞った参考書を出しているのか」
思ってさっそく読んでみたのだけど……ある部分がとても面白い。
「教学社の25か年(以上)の物理問題集」とどう違うのか、書いてみたい。
駿台と教学社の違い

まず駿台と教学社の物理問題集において大きな違いとして、
- 駿台:物理大問1から3を載せる。教学社の志望校別過去問と同じ
- 教学社:テーマ別にランダムな形で載せる、多くの書店が取り扱っている
「試験本番」を想定した訓練を積むなら駿台がよいし、
問題数も上下巻合わせると、駿台の方が多い。
※料金もそれだけかかるけどね。
教学社は力学、電磁気、波、熱など整理して載せているから、
普通の練習問題集のような感覚でやりやすい。
一番重要な部分として、問題も答えも同じだ。
「当たり前じゃん」思うでしょ。
駿台の解説はとても詳しくて難しい

大きな違いは解説の内容だ。
解説において簡潔な部分もあれば「難しい」箇所もある。
駿台では回答部分において、難しい数式を載せていないが、
解説では「微分方程式」を使った解説を載せている。
運動方程式に微分や積分を用いる方法は大学になってから学ぶ。
最も数学3をやっていれば難なくできるよ。
数学3の微積分で「速度と道のり」を習うしね。
運動方程式に微分や積分を用いる利点として、
仕事やエネルギーの基準値が分からなくても、
運動方程式さえわかっていればいい。
運動方程式の空間積分が力学的エネルギーであり、
(電気エネルギーも似たやり方で行える)
時間積分が運動量と力積につながるよ。
駿台は主に運動方程式を微分方程式として扱いながら、
数式をいじくった解説を行っている。
教学社の物理でも時折、微分すべきところを載せているけれど、
駿台のように「何から何まで」微分方程式を使っていない。
何より書店へ行けば中身を直接確かめられるのが大きい。
なので「数式が大好きで、物理現象より数式(原理)が好き」なら、
駿台の過去問10年以上分を選べばいい。
書店ですぐ手に入れるなら教学社一択だ。
駿台が置いているのも先日見かけたほどだし、書店によっては置いてすらいない。
都会の大型書店なら置いているだろうけれど、
都会でない場所なら教学社で十分だと思っている。
講師の評価が面白い駿台物理過去問

駿台物理入試課顧問において教学社と違う個所は講師による問題の評価だ。
多くの問題において「おおむね好評」だけど、
一部は受験生に「謝罪」を込めたコメントがあった。
塾の講師も「人間」だなあと感じる部分があり面白い。
(自分はこういう部分に弱い)
受験生にとってはどーでもいい情報だ。
塾の講師だって受験生を志望校へ合格させたい。
だからこそ彼らだって予想する。
今年度の試験はどういう問題が出てくるか。
なるべく遠回りさせない方法はないか?
講師による評価が面白いので、
「人間味ある参考書のほうがよさそうだな」思ったら、
ぜひこちらを手にしてほしい。
アマゾン上:東大入試詳解18年物理 上―2019~2000 (東大入試詳解シリーズ)
教学社は普通の問題集と変わらない

教学社は参考書を扱う書店に行けば、ほとんど置いてある。
運が良ければ古本屋でも手に入るだろう。
解説の内容も教学社から出ている東京大学の5年分過去問と同じ。
東大合格体験記でも、25年問題集をやっている人が多い。
ちなみに教学社は東京大学以外にも北海道大学や京都大学など、
たくさんの〇年問題集をそろえているよ。
駿台と大きく違って、多くの書店に置いているのも強みだ。
解説は駿台なみの微分方程式を入れていないが、一部は入れているよ。
鉄緑会東大物理問題集もある

よく東大や京都大学など「難関大合格」に関する本として、
鉄緑会という名前を見かける。
鉄緑会は中高6年一貫校の生徒を対象とした、東大受験指導者専門塾らしい。
公式HP:鉄緑会HP
鉄緑会の物理問題集はまだ読んでいないので、
どんな形で解説をしているのかわからぬ。
一つ中身について触れている箇所があった。
読んでいくと教科書と併用した感じの参考問題集だね。
教科書の理解が絶対条件

仮に東大を受けるとしても「教科書の内容理解」が絶対に重要だ。
物理は数学の問題ではない。
問題を解く手段として数式を使うのであり、
教科書に記載された物理現象やキーワードを理解しないと、
問題文を読んで躓きやすい。
ただ問題を解いているだけでは必ず息詰まる。
行き詰った時こそ、教科書を一から学びなおす機会だ。
例えば力学の静止摩擦一つをとっても、
- 静止摩擦係数と動摩擦係数の使い分け
- 「なめらか」と「あらい」の意味
- 単なる摩擦力と最大静止摩擦力の違い
- R=μNが使えない条件とは?
- Nの定義と意味は?
これらの答えは教科書に載っているから、
きちんと言葉の意味や項目として扱っている物理現象を、
教科書がなくても説明できるレベルにしておかねばならぬ。
私が問いかけた上記の問いかけにおいて、
しゃしゃが受験生なら1つにつき、3秒以内で答えらえないといけない。
考える時点で「わかっているつもりのわかってない」状況だ。
そういう部分が試験に出て、混乱をきたしやすい。
教科書に書いてある基本事項を抑えたからといって、
東大物理問題を必ず解けるわけではないけれど、
抑えていなければ問題文を読んでつまづきやすい。
東京大学に限らずすべての問題において、
教科書の基礎項目を仕上げないと問題文を読むだけで、
頭が真っ白になりやすいので、注意をしてほしい。

ちなみに物理の教科書を手に入れらない場合は参考書が一番だ。
自分は数研出版の物理参考書と新物理入門(駿台)を持っている。
新物理入門は駿台であり、微分方程式をめちゃくちゃ使う。
加えて図解による解説が少なく、数式で理解するタイプだ。
チャート式物理は数式を省略して公式を載せている。
図解が多く、自然現象を絵で抑えやすい。
自分としてはどちらも似て非なる参考書だ。
新物理入門のほうは必ずしも必要としないけれど、
物理の面白さ、数式の面白さに目覚めると思うから、読んでみてほしい。

なお京都大学物理についてはこちらに記している。
また理科で同時受験する際、地学を選ぶならこちらを読んでほしい。
