
ども、しゃしゃ。
7月の終わりに安倍晋三の真実という本が出た。
安倍総理の真実を執筆した人がジャーナリストでなく、
谷口智彦内閣参与であり、スピーチライターだから驚きだ。
さっそく読んでみたら、
「スピーチライターって仕事は大変だなあ」思ったよ。
ライター(書き手)にしかわからない苦痛
8月3日産経新聞に、
谷口智彦(内閣官房参与)著
『安倍晋三の真実』の下記広告が掲載されます。https://t.co/8EAoVBqNMO pic.twitter.com/44wzDnTdSV— 悟空出版 (@gokushuppan) August 2, 2018
谷口智彦氏は慶応大学の教授であり、日経ビジネスの主任編集委員を経て、
主に安倍総理の「海外用」の演説原稿を執筆している。
かつて安倍談話-現代文読解風味-を解説したときがあり、
谷口智彦氏が執筆したのだろうか?
ところで「書き手」として谷口智彦氏の苦労を読み取ると、
30分書いて推敲を重ね、寝て、推敲を重ね、少しだけ寝て、起きて……
若いころでなく現在の谷口智彦氏ですら、
世界を股にかけた演説において、気が滅入るほど推敲を重ね、
体力を削るような仕事をしていると分かった。
安倍談話一つをとっても、どんな覚悟を抱くか?
どんな文章を書いたら余計な上げ足を取られるか?
文章に不備があれば、すぐさま弱みが生まれ、敵に攻められる。
攻められて後退すれば、国益が損なわれる。
以前も呟いたけど、谷口智彦氏とかも含め、安倍晋三は人の使い方が上手いと思う。一方でハイパー下手なのが菅直人。
|安倍首相は「目的に対し合理的」な宰相である 「スピーチライター」が語る安倍首相の真実 | 「コミュ力」は鍛えられる! – 東洋経済オンライン https://t.co/CXlpTpwzdv @Toyokeizai— 春山春斗 (@halt_haru) August 21, 2018
表には何も見えないけれど、
空気や水素分子が目に見える量子力学レベルでは、
言葉一つにも熱い火花が散っていると分かった。
火花一つで化学反応し、分子が別なものへ変わるからねえ。
私は内閣参与ではないし総理のスピーチライターでもないから、
談話や外国へ向けた文書一つに、どれだけ神経を注いだか?
なんとなくでしかわからない。
現在、自分が書いている原稿一つに60億万の運命がかかっているとしたら?
実際に味わってみろと言われても、実感はできないよ。
彼の原稿一つで日本のかじ取りが大きく変わる。
一番のかじ取りは総理だけど、方角を決めるのがスピーチライターだ。
ライターとしては「大変な仕事だなあ」としか思えないし、
「ベテランの領域でも、心身ともに削られるのね」感じたよ。
なお安倍談話についてはこちらを参照。
枝野幸男「魂の3時間大演説」と政党支持率の関係

画像元:政治意識月例調査 2018年
演説関連だと、立憲民主党の枝野幸男代表が3時間ほどの演説をした。
こちらのnoteで彼の演説をまとめてくれたうえ、
演説だけなら動画を見たほうが早い。
彼の演説はおおむね好評だったそうだけど、
政党支持率を見ると、7.5→5.6と下がっている。
※ 上がっているのは公明党と日本維新だけ。
枝野さんの演説が仮に「世界に向けた内容」であり、
「異国人に感動を与え、日本の意に沿った展開へもっていく」なら、
3時間の演説は大きな意味をなしていない。
政党支持率も減っているところを見ると、
彼がいくら熱のこもった演説を行ったとしても、
いろんな部分を通して減点されてしまった結果だ。
枝野さんの演説は「内閣総理大臣不信任案」なので、
主に有権者でなく議員が対象だ。
もし彼の演説に心から賛同し感動していたら、
自民党の中に安倍総理を支持しない人が多く回り、
不信任決議は成功していただろう。
しかし不信任案は否決された。
枝野さんと彼についたスピーチライターは、
聴衆者(議員)の心を引っ張ってこれなかったわけだ。
谷口智彦氏は少しでも外交の中で日本が有利になるよう、
米国なら米国の歴史や習慣、しぐさなど様々な情報を入手し、
整理したうえで「米国人の気分を上げる」文章を入れねばならぬ。
スピーチライターの意見を通して、
枝野さんの演説はなぜ多くの議員の心を動かせられなかったのか?
きっちり反省をしているのだろうか?
理由の一つはこういったところにあるけれど。
スピーチライターの真実が面白い

谷口智彦氏はスピーチライター以外にも、
森友/加計学園騒動についても触れている。
あとは安倍総理の周りにいる人たちの行動も触れており、
「真面目だな」としか思わないよ。
前に読んだ山口敬之氏の「総理」と大きなずれはない。
もりかけについてはネットにあるあまたの情報と比べると、
いろいろ面白いんじゃないかと思っている。
一番はスピーチライターという職業の大変さだ。
記事を書く人間として、単なる記事ではいけない。
記事を言葉に出して読んだ後、
「私はこうなりたい」第三者が感動して行動しなければならぬ。
記事を読んで「ふーん」だけではライター失格なのだ。
「スピーチライター」という側面から総理を支えるのが、
どれだけ難しくて大変かを、ぜひ読んで味わってほしい。
アマゾン:安倍晋三の真実
記事を書く人間としても、総理の背後にいるスタッフの一人が分かり、
「安倍政権はこういう人たちに囲まれているのか」と、
色々考えるところがあるよ。
