おはよう、しゃしゃ。小説を書いていると、感情の出し方に迷うことってない?
例えばある人が可愛い子供を見て微笑んだとする。
その時「微笑んだ」という言葉しか知らないと、
他の表現が思いつかず、仕方なく「微笑んだ」で済ませる。でも自分自身は納得しない。
微笑んだ以外の言葉を使いたいのに、単語や表現を知らないから使えない。
表現の出し方に困っているとき、感情類語辞典という本が出たよ。
初めは定型句
※ 【クリスマス絵】初めてのクリスマスプレゼント… | えびとろあなご蒸し [pixiv]
物語の構成を考えたらいよいよ小説を書く。執筆中、感情は定型句でいい。
例:今日はクリスマス。子供がサンタクロースからプレゼントをもらった。
それで子供が喜んでいる状態を見て、私は微笑んだ。
本当は「私は微笑んだ」という言葉を使いたくないけれど、
とりあえず置いておく。大切なことはプロットを形にすることだ。中身をまずは書いてしまう。
書いた後、数週間原稿を寝かせる。私は1週間ほど寝かせ、再びプロットを書き直す。
もちろん自分が書いた原稿を元にしながら書き直していくんだ。
書き直す際、「なぜこんな感情を抱いたの?」
「ストーリー上、欠かせない場所や表現は?」
「もしこいつが○○なら……」色々思い浮かべながら書いていく。
原稿用紙を見てプロットをはじめから書き直す。
(受験向けの勉強をしているときに、どうやったらより深く学べるか?
考えた結果、推敲と再構成を何度も行っている)
再構成を終えたらまた初めから書き直す。今度は描写も具体的、あるいは削って整える。
例:クリスマスの朝、サンタクロースからプレゼントをもらった私の子。
喜んでいる。私は彼の頭をなでた。
「微笑んだ」を削り、「彼(子供)の頭をなでた」書き直した。
書いたらまた寝かせ……を繰り返し、徐々に自分が出したい表現が出てくるだろう。
類語辞典は必要か判断できない
『感情類語辞典』の2人の原著者は若者向けの小説家。感情描写をコーチするために表したのが本書です。ある感情が起こると、人はどう行動するかなどを項目ごとにまとめた(当然ながらやや欧米テイスト)。コラム「書き手のためのヒント」も有益です。 pic.twitter.com/Ly73sWfr25
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2015, 12月 20
必要だと思わないなら取らなくていい。
必要だけど、活用できなかったらどうしよう……。
思った場合、まずは小説を書き上げていこう。
書き上げて数日寝かせ、編集する際にもう一度見直すよね。
その時、類語辞典をそばにおいて調べるんだ。
例えば「私はあの子に恋をした」という表現について、
「愛情」という部分を読み、ほかの表現を見る。
読むだけじゃなく、なるべく声に出していくとよい。
自分が書いた文章を音読しつつ、類語辞典にある「愛情」などを音読する。
「こっちの表現がより適切かも」思ったら変更していく。
感情表現の幅が増えるし、言葉の使い方も敏感になっていく。
すると身近な出来事や自分が思うことですら、何かしらの言葉で表現するようになるだろう。
文章に書いていない「感情」を読み取る
小説を勉強する人が『感情類語辞典』などから表現を取り入れるのは是か非か。これはやるべきですね。「蟹工船」に「納豆の糸のような雨」という表現がある。井上ひさしはこれを自作「さそりたち」に取り入れ、「納豆の糸のような細雨」と書きました。いい表現は使う。さらにそれを超える。これですね。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2015, 12月 21
ただ、類語辞典はやたら使っていいものじゃない。使いどころはきちんと考えよう。
基本、表現のほとんどは「誰かの気持ち」を代弁したものだ。
風景描写や人間の行動には必ず何かしらの気持ちが働いている。
働いているけれど文章に書いていない。
例:敵が目の前に迫っている。私は銃を手に取った。
このとき「銃を手に取った」理由は敵が目の前に迫っているからだ。
じゃあ銃を手に取ったときの気持ちは何だろう?
文章には書いていないけれど、気持ちを考えてあげると、
表現手法がより豊富になると考えているよ。
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アマゾンで扱っているよ。
一度小説を書いてから購入して読んだほうがいいだろう。
書く前から辞典を使うより書いた後に演出を考えるうえで、
使うといいと私は考えているよ。
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性格-ポジ・ネガ編-

フィルムアート社からは感情のほかに「性格」も出ている。
性格も調べると、より深みを増した人を描けるだろう。
世の中、自分が思うような人もいれば、
「こんな奴が」いるとは……がいるからね。
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性格もパラパラ読みつつ、一度キャラクターを描いた後、
スパイスを加えてみるか。という気分で入れてみるといいだろう。
他に場面設定類語辞典も出ている。
使い方や場面設定を小説に入れるヒントを詳しく語っている。
合わせて読んでほしいな。
こちらは実際に映画の脚本を分析・時には書いている人が、
「どういう基準で脚本を直していけばいいか」に焦点を当てている。
小説と脚本は同じではないけれど似ている。
「どういう演出を盛り込んでいるのか?」
参考として読んでみるといいよ。
