おはよう。
現在ゲームプログラミングを行っている。
頭の体操とある目的のために大学入試数学を解いていた。
ある目的の中身は一番最後に触れる。

2023年東大文型数学1問目について、
大まかな流れは読めていたのだが、あと一歩がたどり着かなかった。
「これを使うだろう」わかっているのに、
そこまでたどり着く御膳立てはあったのに、あと一歩が浮かばなかった。
「あと一歩」について、考察をしていきたい。
問題の画像元:でんすう(電子数学図書館)2023東大文系第一問
数学で重要な等号(イコール:=)の意味
はじめに数学において当たり前すぎるがゆえに落とし穴のある等号について書く。
等号こそが「あと一歩」を越えるのに重要な概念が詰まっているからだ。
参照サイトに面白い考察があった。
2×3=6と2a-3b=0における等号(=)は違う。
2×3=6は左辺の式を展開すると右辺の式になる意味で、
2a-3b=0は左辺の式を変形したら右辺の式になるを示す。
2×3=6は計算式で2a-3b=0を方程式という。
プログラミングで使う等号は基本「代入」を示す。
左辺=右辺となる場合「右辺の値を左辺に代入しますよ」を示す。
左→右でなく、右→左だ。
例をあげると(C#で記述)
int ntr ; //intは整数を扱うという宣言、ntr,sexy方程式でいうxを示す
int sexy = 3;//初期値は0
ntr = sexy;//左辺=右辺というより、右辺の値を左辺へ「そのまま」入れた。
//結果:ntr =3 :ntrに3が入り、更新された
ゲームプログラミングをやっていると、等号一つにも頭が混乱する。
二つの等号をしっかり認識しておく。
東京大学2023年文系数学第一問
今年の東大数学文系第一問を見ていこう。
実数k(>2)を含む二次方程式において異なる実数解をa,bと置いたとき、
aとbでできた式の最小値を求めよ。

第一問は基本であり、教科書や学校指定の参考書をやっている人は、
いくつかのキーワードから、大まかな流れが予想できるだろう。
※学校指定の参考書とは、フォーカスやチャートなど。
- k>2(0より大きい)から「相加相乗平均」及びk-2が生じるであろう状況
- 異なる二つの実数解から「解と係数の関係」
- 3乗式と分母の文字数だけが異なる似た式から「式の展開・分解・分配」
後は計算ミスと思い込みによる間違いに気をつければ、答えられる……。
流れとして、まずは解と係数の関係からa+b,abを出しておく。
次に分数式の計算を行い、a+b,abだけの形にする。
kだけの式にして、相加相乗平均を考える。
分数式の計算(分子/分母)まではうまくいった。
ここからだ、躓いたの。
どう相加相乗に持ち込めばいいのだろう。
どういうふうにすれば、相加相乗平均が使えるのだろう?
相加相乗の形が出てこなくて、答えられなかった。
答えを見たときに「こういう形で展開すればよかったのか」
衝撃を受けながらも、答えを参考に式を導き出して、何とか答えられた。
数学の問題を解いた後「なぜ分数式の後で躓いたのか。
なぜ流れは予想できたのに、最後の最期(分数式の展開)が浮かばなかったのか」
分数式の展開こそ「あと一歩」を越えるために必要な本質があった。
等号イコールの「第三の意味」
私は分数式までの展開までは普通に導けたが、
分数式から相加相乗のために必要な計算式は頭に浮かばなかった。
どう変えたら相加相乗できる形になるか、頭の中で計算できなかったからだ。
答えを見たとき「ああ、こう変形すればいいのか」衝撃を受けたほどだ。
衝撃を受けたと私は書いた。私にとって思いつかない変形だった。
※なおチャート式数学や標準問題精講を見たら、
相加相乗の形へ持っていく式変形の問題があった。
2k^2+7k+2/(k-2) = [(k-2)(2k+11)+24]/(k-2)
分子だけを取り出すと
2k^2+7k+2 = (k-2)(2k+11)+24だ。
どこから(k-2)(2k+11)が現れたのだろうか?
答え:強引に(k-2)を創り出したところだ。
相加相乗を使う場合、強引に分子と分母が同じくなる式を作っている。
分母がk-2とわかっているので、強引に分子にもk-2を創る。
もう一つ重要な個所として「左辺=右辺」だ。
左辺と右辺の値は同じであるなら「=」がつくだ。
当たり前すぎるがゆえ、表現を付け加える。
左辺と右辺の値が結果として同じにさせればいい。
左辺の値を強引に変えて、自分に有利な計算式へ変えてしまえばいい。
※下記問題こそが、己に有利な計算式へ持っていくための一例。
あと一歩のために必要な分岐とは「自分に有利な形へ強引に中身を変える力」だ。
今の場合なら(k-2)(2k+11)として強引に(k-2)の式を作った。
さらに2k^2+7k+2 = (k-2)(2k+11)だけだと、整数値が-2×11=-22となる。
左辺の数字は+2であるため、強引に+2へ持っていくには24を強引に創って足せばいい。
左辺と右辺の値が等しくなるなら、途中の計算式がどうであろうとかまわない。
9という答えを出すなら1+8=2+7=16-7=3×3他、結果9になればいい。
あと一歩へたどり着くために土台(教科書)は必須
あと一歩へたどり着くには土台が必要だ。
土台とは「教科書に書いてある内容を他人に説明できるほど理解している状態」だ。
ただわかっているだけでは土台を理解したとは言えない。
初心者に意味を伝えられる状態になって、初めて理解と言える。
ビジネス用語だとコーチングというべきか。
調べてもわからない部分は練習問題で数をこなし、感覚をつかむ。
感覚をつかんだ後に改めて教科書を読むと、高確率で理解できる。
練習問題を通して公式の使い方を肌で理解した後、
教科書を改めて読み直して(中身を手書きして)、
はっきり重要語句をつかんでいく。

教科書の理解は数学に限らず理科社会全般をはじめ、
イラストや楽曲制作、仕事に経理、プログラミング、コピーライティングなどにも言える。
あなたが受験生なら9月ごろに教科書を読むというより、
教科書に書いてある重要語句や公式、成り立ちを手書きして、
知識の穴をふさいでおくと、入試問題のからくり(出題者の狙い)が見えてくる。
今回私は出題者の狙いが見えても、相加相乗へ強引に変形するまで頭が回らなかった。
出題者にしてやられたわけだ。
強引な変形を許せるかどうかが点数を大きく分けたと考えている。
なお理系で相加相乗が思いつかない場合、微分を使って最小値を出せるだろう。
ある目的:計画をたてて解く必要性

最後に暴投で「ある目的」と書いた。
目的とは「記事を面白く書き換えるために、計画を立てて構成を立て直す」だ。
人間は生活習慣の生き物であり、無意識に選択を選び「同じ生き方」を心がける。
今までと違う生き方を送るには、
自分で意識しながら今までと違う行動を、覚悟を持ってとらなければならない。
今までと違う行動をとる理由として、世の流れ(ひとつが集合知)についていくためだ。
どれだけ頑張っても世の流れに逆らっているなら、いい影響をもたらさない。
てこの原理(レバレッジ)を働かせるために、世の流れに沿って情報を載せる。
今回の記事はてこの原理が働いていない、驚きの発見な内容でしかない。
てこの原理を働かせた記事とは、
自分を含む第三者が求めている内容にしっかりと答えた記事だ。
自分の生活習慣が変わるとは、自分の意識が変わる。
意識が変わるとは「今までダメ」だったものが「いいよ」に変わる。
相加相乗を使うため、強引に式を変形するのも「ダメ→いい」に変え、
数学における生活習慣が変わった証とみなせる。
ダメ→いいよに意識が変わると、思考はもちろん言葉も変わる。
結果行動にも変化が生じ、今までとは違う視点で生きられる。
難関大の数学は標準問題の組み合わせからできている。
個別で見ると基本であるが、基本が複数組み合わさって物語(問題文)を持つと、
複雑な問題へと姿を変える。
複雑な問題を一つずつ切り分けていけば、基本問題の組み合わせに姿を変える。
基本問題へ姿を変えていくには、小目標設定が必要となる。
今回の問題も目標のとして切り分けていくと、
大目標:a,bを含んだ式の最小値を導き出す。
小目標(簡単なところから見ていく):
- kの範囲を確認する
- 二次方程式から解と係数の関係 a+b,abを導く
- a,bを含んだ式を展開し、a+b,abが付いた状態で計算する(分子と分母それぞれ個別に展開)
- a+b,abをkと数字の式に置き換える
- k>2から相加相乗平均を使うため、式を強引に組み立てなおす
- 最小値を求めて大目標達成
一つずつ小目標に切り分けて大目標につなげていく「計画」が、
数学では一番わかりやすく立てやすい。

目標を立てて遂行する訓練(計画)こそ、私が現在行っているゲーム制作はもちろん、
今あなたが読んでいる記事の構成、作品のセールス文、
作曲やイラストに費やす狙いや構図・表現など、仕事に応用が利く。
最初は計画を建てなくても「いつの間にか」目標にたどり着いた。
世の流れとともに「いつの間にか」がわかりにくくなるばかりか、
自分の生活習慣が大きく固められ「これ以外の行動がしにくい」状態となる。
これ以外の状態を行うためには、自分で計画を立てたうえで、
計画通りに強引な遂行を行っていかないと、高確率で自分を変えられない。
人間は生活習慣を変える行為が一番嫌であり、避けたがるからだ。
一方で「楽に合格できないか、スラスラできないか」都合よい妄想を浮かべる。
都合よい妄想に沿って、自分を変えない姿勢こそ楽だ。
作業効率という意味の楽はともかく、思考においては楽をさせてはいけない。
思考を徹底的に苦労させるからこそ、効率化に結びつく。
受験勉強の辛さとして、思考を楽させないところにある。
どんな科目もある程度勉強していけば、必ず「もやもや、じれったい」状態が生じる。
どれだけ勉強しても成績が上がらない、マンネリを感じるときがくる。
こういう時こそ「いつも同じことをして、いつの間にか生活習慣が固定化、
頭が楽をしている状態」と捉えてほしい。
じれったい状態こそ、土台を固めなおす最適な時期だ。
もう一度教科書を読み直したり、現代文なら文章を最初から読むだけでなく、
一つずつ段落のつながりを整理しなおすといい。
基本を細かく分けて、かみくだいていけばいい。
かみくだくときこそ小目標をたてて一つずつやっていくと、
だんだん一つの問題を解く(仕事なら企画を現実化させる)ために、
何をしていけばいいかが、はっきりわかる。
将来の自分のために、現在私は数学を利用して計画をたてるという訓練を行っている。
