おはよう。
世界はめまぐるしく動いている。
ロシアがウクライナを殲滅せんと侵略を行い、
ウクライナはもちろんロシア国内もがたがたになっている。
あおりで日本を含む経済にも影響が出ている。
日本を含む世界ではロシアの選手や団体、
語学学習まで追い出そうとしている。
「言葉」が変わると文化や価値観も変わる。
反対に当時の言葉こそ当時の人々を知るうえで、
欠かせない史料となっている。
1年の間で新たな言葉が生まれ、
今も使われている言葉もあれば、使われなくなった言葉もある。
現在、私は辞書を中心に語学の勉強をしている。
きっかけは精読による「単語に対する無知」だった。
ただ辞書を使うにも、時間と労力はかかるけど、
気づきと発見があって楽しい勉強法を見つけた。
英和辞典と国語辞典
単語を勉強するようになったすべてのきっかけが、
薬袋先生が執筆した本「英文精読講義」だ。
問題を通して文章をきちんと読んでいく。
きちんと読むとは文脈を正しくとらえたうえで、
筆者が何を伝えようとしているのか?
精読講義のテーマとして、
「空の青と海の青が持つ違い」を明らかにし、
前後の文脈を絶えた状態で文章を読み、内容をつかむ。
精読講義をやったとき、知らない単語があった。
早速辞書を使って調べてみた。
辞書を使って調べているとき、ふと一部の単語が気になった。
例えば「image」がある。
日本語では画像というより「己の心に思い描く光景・特徴」を示し、
「それがあなたに抱くイメージだよ」と使う。
英語でimageを調べてみると、
「像、彫像、画像、聖像、偶像、形、姿」はもちろん、
「よく似た人」といった意味を持つ。
古語辞典と国語辞典

精読講義をやり終えた後、古文も勉強したくなった。
多くの人にとって古文は受験でしか扱わない分野だ。
また今の私には仕事の役に立たない分野であり、
学ぶだけ「無駄」な時間でしかない。
英語の精読を通し「上っ面なやり方」でしか、
勉強をしていないと気づかされたので、改めて学びたくなった。
手元にある源氏物語原著(岩波)を手にした。
紫式部の文章は無駄がなく、声に出してスラスラ読みやすい。
ふと思った。
調べると、今と昔の違いや文化が透けて見えた。
後で詳しく述べよう。
辞典:旺文社図解全訳古語辞典
学習辞典の勉強法1

辞書を使って学ぶとき、ただ確認して終えているだろうか?
確認だけだともったいない。
辞書には「活用、品詞」が載っている。
品詞や活用こそ読解及び作文に必要だ。
英作文はもちろん、プログラミングにも重要だ。
品詞(名詞、副詞など)、
動詞や形容詞なら活用(自動詞5段など)を書く。
意味も書いたら全体(2ページ)を見て、気になった単語を書きとっていく。
意味を書いている際、気になった単語があれば書いていく。
余計な仕事だが、視野が広がる機会だ。
英語も古語も同じようにやる。
辞書の学習法と文法の考察

辞書を使った勉強を「より」面白く感じるためには、
品詞や活用が全体の文章において何を示すのか?
品詞や活用の役割と意味そして大切さを知らねばならぬ。
大切な事柄を学ぶ最良の教材が英語リーディング教本だ。
私もリーディング教本に出会っていなければ、
辞書を使って単語を調べる学習などしなかった。
英語リーディング教本はほかの英文法と違って、
品詞レベルからの学習を基に英文読解を行う。
英語は主語に動詞その他がある。
動詞にも原形、過去形、過去分詞、現在分詞、動名詞などがある。
文章の途中で過去分詞があった場合、述語なのか修飾なのか?
正しく英文を読めている人は「これ以外の読み方はありえない」
判断できるけど、文法及び品詞ルールを知らぬ人にとっては、
「これは何、あれ、こう訳したらおかしい……」
文章読解どころではなくなる。
文章は単語の羅列だが、羅列にはルールがある。
ルールを文法と言っている。
羅列規則を知ると、単語の面白さに目覚めるよ。
辞書による学習を楽しむなら、
ぜひ英語リーディング教本を読んで、品詞が持つ意味や役割、
そして文法を正しくとらえてほしい。
アマゾン:基本からわかる英語リーディング教本
「なんで英語文法解説本を紹介するの?」
日本語(母語)でリーディング教本ほど深く語る内容がないからだ。
(あるのだろうけど、私が見つけられないだけ)
言葉の比較で何がどう変わるのか?

辞書を使って昔の単語を今の国語辞典で調べたり、
英語で使っている一部の言葉を国語辞典で調べたりと、
言葉一つに対する文化や違いが見えてくる。
例えば「らうたし」
らうたしは「かわいい」を示す。
学研の現代国語辞典を調べたところ、らうたしは乗っていなかった。
今の時代、らうたしを使う事例などない。
一応「ろうたし」も調べたが、なかった。
だからこそ「面白さ」に気づいた。
「らうたし」は「労たし」であり、
「労」は「ロウ・はたらく・ つかれる・ いたわる・ ねぎらう」と読める。
つかれるは「疲れる」とキーボード入力で即変換される一方、
いたわるやねぎらうは「ひらがな」のままだ。
もちろんスペースキーを入力したら「労わる、労らう」が出るよ。
なぜ「らうたし」という読み方及び使い方がなくなったのか?
僕にはわからない。だから妄想してみる。
らうたしの語源がもともと、
「弱い者にたいするいたわり、愛情」からきている。
時代の流れとともに
- 「弱い者」がいなくなった
- 「弱い物だらけ」となり、かわいさもなくなった
- 「弱い者に対する思いやり」がなくなった
- 「いたわってやりたい」ほどの気持ちが失せた
- 「らうたし」を使う文化、共同体が消えた
他にもいくつか思い当たるだろう。
いずれにしろ「言葉を使わなくなった」。
一方で「すこし」は今でも使っている。
消える単語がある一方で、今も残る単語がある。
消えた単語と残った単語の違いは何か?
英語の広さと日本語の狭さ(その反対)
ボランティア(volunteer)志願兵、義勇兵
リクルート(recruit)新兵、補充兵
パイオニア(pioneer)工兵
ベテラン(veteran)退役兵
この辺はカタカナでの意味と原意がだいぶ違って結構事故を聞く語彙ですよね…— JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 (@Jagdchiha) March 1, 2022
英語辞典にも例を出そう。「ボランティア」がある。
日本語だと「無料で手助けする人」を示すが、
英語で言うボランティアは
「志願者、ボランティア、篤志奉仕家、志願兵、義勇兵」
ちょうど今、ロシアがウクライナに侵略し、
日本を含めて世界各地で義勇兵志願者が多い状態だ。
ボランティアの意味に私は衝撃を受けた。
単語一つに対するギャップを知ると、
「ああ、世界って広いな」思ってしまう。
早く覚えるの対極にある世界

英語といい古文といい現代文といい、
辞書がなくても基本、単語に簡単な意味を記している。
また単語帳にも簡単に意味と品詞を書いているだけだ。
早く効率的に学ぶなら辞書の勉強は適さない。
やがて必ず訪れる。
簡単に覚えた内容だけでは決して太刀打ちできない出来事に。
だからこそ辞書を通して根源を探っていく。
根源こそ仕組みの基本があり、
さらに根源のそばに知らない言葉があり、
知ってるけど実はわからない言葉もある。
一つの単語を掘り下げ、周りを見てさらに掘り下げていく。
社会人でなければ時間がなくてできないだろう。
社会人ですら時間がなくてできないかもしれないが、
1日20分程度でいいからやってみると、
言葉に対する歴史や文化の違いを知り、世の中が面白くなるよ。
時代が代わり、良くなるか悪くなるかはわからないが、
いずれにしろ勉強を通し、自分の魅力をさらに広げていこう。
追記:辞書を通して読み取る「書き手の気持ち」

先日、道新に北海道大学の入試問題が載っていた。
英語を再び学んでいるせいか、スラスラ読めた。
英文の書き手は難しい単語を使っている。
北大の第一問目は上記動画「単一の物語が持つも危険性」をテーマにした問題。
主人公はアディチ(Adichie)さん。
例:She(=Adichie) discloses that her roommate had stereotyped her
— presumed that she could not speak English well……彼女(アディチエ)は明らかにしている。
自分のクラスメートが彼女に偏見を持っていると。
クラスメートはアディチが英語をうまくしゃべられないだろうと思い込んだ。その後、彼女はストーブもまともに使えないという思い込みが続き……
「presume」という単語がある。
「推測する、推定する、思い込む」という意味だけど、
「guess」や「presume」など、色々な単語が出てくるはずだ。
なぜ筆者はいろいろある中から「presume」を選んだのか?
書き手の立場になって考えてみる。
presumeは合理的な根拠に基づいたときに使う言葉だ。
筆者にとって数多くある言葉「思い込む・推測する」から、
「合理的判断」も読者に読み取ってもらうため、
presumeが適切だと捉えた。
筆者がどんな思いを文章に託しているか、
単語一つから透けて見えてくる。
他の例を出そう。相手を罵るときに、
バカ、アホ、くそ野郎、クズめ……色々ある。
相手の権威や人格を否定するときなど、
使い道が多少分かれるはずだ。
何でもかんでも「バカ」ではない。
辞書を使うとは筆者の言葉に対するセンス、
言葉を通して同時に伝えたい想いを読み取る勉強となっている。
同じように国語辞書を使う時も、
単語一つに「気持ち・想い」も含んでいる。
上記一文を引き出すために、今回私は記事を書いたのだな……
