おはよう、しゃしゃ。
日本科学史を塗り替える偉業が達成されようとしている。
亜鉛(Zn)とビスマス(Bi)の核融合反応により、
原子番号113の新しい物質が作られようとしているんだ。
初め、ジャポニウムと理化学研究所が命名すると決めたが、
後にジャポは「ジャップ」を想定させるらしいから、ニホニウムに決まった。
一つ疑問が生じる。
ジャポニウムが作られたからと言って、私たちの生活にどう役立つの?
ジャポニウム(ニホニウム)について
日本初の新元素、理研が発見 国際認定へ 米露の共同研究チームを退けて認定される見込み https://t.co/bYem3kAt5K pic.twitter.com/6vJlSL3V6A
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2015, 12月 25
作り方は亜鉛元素に加速器を使い、高速でビスマス元素にあてる。
結果、小さい元素衝突から大きな元素が作られる核融合反応によって、
原子番号113の元素作成に成功したんだ。
国際機関で正式に決められると「ジャポニウム」と命名されるよ。
一方でロシアも新しい元素を発見した。
ジャポニウムに近い元素のほか、数多くの合成元素を作っている。
ただ、113番を裏付ける証拠が乏しいんだって。
後、無理やり合成した元素によって原子核が非常に重く不安定。
(例えると食いすぎて腹が痛くなり、トイレに向かう状態。
腹の中が原子核と思っていただけるとよい)
不安定な原子は安定になろうとするため、
ヘリウムや電子といったアルファベータガンマ崩壊を起こすんだ。
すぐ壊れるから寿命も1/1000秒ほどなんだって。
参照:ジャポニウムが登場されそうでわくわくする(詳細説明)
ジャポニウム(ニホニウム)計測裏話
@megabi0 今回の実験もビスマスに亜鉛を70日とか100日とか照射し続けて、その結果の1msなんですよ、恐ろしい世界です(^^;;
— はるるん@DQX休止中 (@harugitter) 2016, 1月 11
フォロワーのはるるん氏からツイッターで意見をいただいた。
ジャポニウムよりもジャポニウムを計測した機器がすごいとわかったよ。
亜鉛について

亜鉛は原子番号30の典型元素(12族)だ。
亜鉛の特徴として、酸及び強塩基と反応して塩(えん)を作る両性元素を作り、
硫酸や塩酸と化学反応をさせて、水素を得るために利用される。
他に電池の負極やトタン(鉄板に亜鉛をめっき)として使われる。
ビスマスについて

ビスマスは原子番号93の典型元素(15族)で、少々赤みがかった銀色でもろい。
常温で安定に存在し、凝固すると体積が増えるんだって。
整腸剤の一種として使われ、光を当てると多彩な色を持つんだとさ。
参照:ビスマス結晶の色のはなし
ジャポニウムがどんな役に立つの?
※ erwinsooの画像より
ジャポニウム合成が私たちの生活にどんな恩恵をもたらすのだろう?
そこでウラン以降の人工元素について調べてみた。
というのもウラン(原子番号92)までが自然界に存在する元素であり、
以降はジャポニウムのように人口で創られた合成元素だからだ。
まずノーベリウム(原子番号102)を調べてみた。
研究所で実験のために使われると書いてあった。
ほかの元素も無理やり作ったために支えきれず、すぐに崩壊現象を起こしてしまう。
私たちの日常生活に役立つようなものではない。
考えられることとして、核融合反応を通してエネルギー負担が減る。
すなわち、最小限の労力と費用で高エネルギーを作ることができる。
「原子力発電関係」にとって、より使いやすい燃料となるんじゃないかな?
後は新しい武器の製造といったところだろうね。
@megabi0 113の新元素は、 最長が4ms 、あとは0.5ms前後でα崩壊してますね その瞬間を捉えて観測する技術は驚愕ですが、 元素自体は、、多分使い道も何もないですね;^_^A
— はるるん@DQX休止中 (@harugitter) 2016, 1月 11
ただ、虎ノ門ニュース月曜日の武田先生によれば、
「使い道はないよ」述べていたんだ……。
用途の一つ:レーザー治療?
放射性をあてると、あてられた原子番号は変わる。
そこから医療に役立つと考えられる。ウイルスも所詮、化学元素の集まり。
レーザー放射を行って、ウイルスが持つ原子を変えてしまえば、
無害化できる可能性もあるだろう。
難病とされるウイルス治療にジャポニウムが使えるかどうかわからない。
病院の一部は重たい元素を使ってレーザー手術を行い、
がんなどの治療に役立てているのだそうだ。
今は実用化できなくても将来形になったり、
常識を塗り替える発見につながったりする。
将来を考えたら、何かしらの形で役に立つだろう。
レーザー使用例:カルミア美肌クリニック
無駄なことにお金かけちゃって
【113番元素の名前 「ニホニウム」に決定】
日本の理化学研究所のグループが発見し、日本に初めて命名権が与えられた「113番元素」について、化学に関する国際機関が、日本の提案に基づいて「ニホニウム」という名前の案を決めたことが分かりました。— 特務機関NERV (@UN_NERV) 2016年6月8日
新しい元素を作るって、「現在」の私たちにどう関係あるのか?
わからないから「無駄なことしているんじゃないよ」思うかもしれない。
そう思った場合、自分の身の回りを見てほしい。
パソコンでブログ記事を読む時間、本を読む時間……
動物の目的が子孫を残すだけなら、ほとんどの行為は「無駄」と思わない?
無駄と思えることも違う方向から見ると、今後の技術に役立つこともある。
だから「現在」だけで物事を観ないようにしよう。
未来はしゃしゃの「心の中」にあるからさ。
無駄な発見が何をもたらすの?
現時点では「無駄」に見えても、何かしらとくっつけたら、
無駄ではなくむしろ有用な道具につながるよ。
例えば上記記事では重力波の発見をした。
重力に波があるから何じゃらほいと突っ込みたくなる。
現時点ではわからないけれど、将来宇宙旅行をする際、
重力波を利用した技術が生まれ、惑星旅行が簡単にできるかもしれぬ。
重力波もなかなか面白いので、ぜひ読んでみてね。
