おはよう。
ラジオ英会話を聞くためにNHK第二ラジオを聞いている。
夜8時30分から30分放送している番組、
カルチャーラジオで「文学の世界」をやっていた。
私がお堅いラジオを聞くようになったのも、
年齢のせいだなあ~と思っている。
若い時は絶対聞かなかった番組だからね。
さて木曜日にて作家町田康が語る文学の世界にて、
面白い・引き込まれる文章の特徴を述べていた。
すごく単純だけど、奥が深い。
そして自分の文章でも面白いかつまらないかの境目が、
はっきりわかってしまった。
作家町田康について
民の皆様、昨日はロサ会館に御参集賜り誠にありがとうございました。次回の集ひは、#汝我が民に非ズ
3/11(金) 高円寺ジロキチ
2/25(金)19時よりSTAGLEEにて予約受付にございます。何卒御参集ください。恐惶頓首 平民無職業・町田康 pic.twitter.com/hR1fxisjza
— 町田康 (@machidakoujoho) February 19, 2022
カルチャーラジオがあるまで、町田さんを知らなかった。
一応経歴をwikiなどから引っ張ってくると……
1962年生まれのミュージシャンから小説家になった作家。
カルチャーラジオで触れていた。
「自分の目指す世界と、バンドの方向性が一致しなかった」
96年に「くっすん大国」として小説家デビューを飾ったと。
上記ツイートが本人であり、告知がほとんどだ。
作家の読書通にインタビューがあった。
日常から少しぶっ飛んだナンセンスギャグが好きだった。
特に天才バカボン。
中学に入り、友達の影響でビートルズやストーンズを聴きはじめた。
16歳になってバンドを組んだ。
詞を書く人を馬鹿だと思っていた。
思ったことをそのまま書いた。
リアルサウンドというサイトのインタビューによると、
「日本語を言いたい、表現したいから、音楽をやっている」
参照:作家の読書路
自分が思う町田康の面白さ
証拠がないので嘘と言われても反論できず、信じてもらうしかないが、私が書いた小説が読売新聞の紙面で紹介された。本当の事である。#男の愛
— 町田康 (@machidakoujoho) February 2, 2022
私の感想を書いていく。
1月はじめに町田さんの声を聴いたとき、
「何怒ってるんだ、やる気のないおっさんだな」
町田さんが面白い発言をし、気づいたら声を出して笑っていた。
番組でも観客が声を出して笑っている。
今では町田さんのゆるい語り口と、
ところどころ挟み込む笑い話がツボに入る。
上記ツイートを見るだけでも笑いが出てくる。
始めてみると「なんだ、このやる気のなさは」
カルチャーラジオなどで町田さんを知っていると、
「この緩さが町田さんの笑いセンスよ」
言葉は同じでも、知ってるかどうかで印象ががらりと変わる。
木曜日のおかしさ
ちなみにカルチャーラジオ木曜日は文学がテーマなのか、
以前ドストエフスキー特集をやっていた時、一言にびっくりした。
「あなたは寝取られたのよ」
ドストエフスキーって官能小説でも書いているのか。
ってかよくNHKで「寝取られ」って単語を出せたな、おい!
まじめな声を出して「寝取られたのよ」って言うから、
おかしさに笑ってしまったよ。
※なお私が一番好きな曜日は月曜日。
昭和のいろんな人が声という形で出演する。
町田康「誰でも絶対に面白い文章を書くコツ」
2022年3月3日、ひなまつり時のカルチャーラジオにて、
町田さんはおっしゃった。
無名だろうと、面白い文章を書くコツがある。
“本当のことを書く”
ふつうと思うが、やっている人はほとんどいない。
文章の上手さで読ませる人はいるが、
その時々、思った気持ち、頭にうかんだことを、
下降せずにそのまま書く、気持ちを直接ぶつける人がいない。
西村賢太の小説は思ったことを本当に書いているから面白い。
技術は数をこなせばうまくなるが、
大事なのは本当の気持ち・思ったことを伝える。
人間の考えなんてほとんどが変、おかしい。
普通に阻まれて、本当のことを考えても書けない。
人間は大体変なことを考える。
変なことを出せない。二つの自意識に阻まれている。
- かっこええことを書かなあかんという気持ちに阻まれる
- 普通という意識、常識、書いた後に生じる不安や恐怖に阻まれる
二つの要因さえ取っ払えば、エッセーが面白くなる。
自意識は一度取り外したら終わりでない。
さらに深い自意識があり、取っ払っていくほど面白さも比例する。
油断していたら、再び自意識が戻ってくる。
だから日々文章を書かねばならない。
日々書いていくうちにコツも気づき、
変な文章、変な世界を突き詰めていく。
面白い=本当のこと、本当を出す=自意識を取っ払って文章を書く。
後は日々の積み重ねで「新しい・一度取っ払った」
自意識を入れさせないようにする。
私はメモだけに飽きたらず、記事書いて心へと保存した。
加工せずに書く大変さと覚悟
町田さんの情報をつかむため、インタビュー記事をあさった。
あなたの静岡新聞にインタビューがあった。
「人間のやっていることをあまり加工せずに書くと、おかしかったりする。本人が必死であればあるほど笑える。意図的にコメディーにしなくても、人間がやっていることはだいたい喜劇。語り芸の要素を取り入れて、そうした人間像をからっと明るく描きたい」
引用した記事において男の愛を「BL」と述べているところから、
「町田さんも”こっち側”の人だったか」と妙な仲間意識を抱いた(笑)
私にとって救われた表現がある。
「人間は基本、おかしい」だ。
私も「常識の壁・批判の壁」という、
自分の心から生じた二つの壁にさいなまれる時があった。

去年作ったゲーム「トルスピ」において、
主人公が結婚すると、子供が生まれる。
二人いる女キャラから結婚を選ぶのだが、
二人とも「違う子」を作ってしまった。
一人と結婚すると、違う子は生まれない。
違う子がどちらもいい性能を持っているので、
ウルトラCの解決「浮気・重婚」が思いつく。
浮気や重婚は倫理的に問題があるからなあ……
第一健全なゲームを作ろうとしているのに、
道徳に反する内容を載せるというのもなあ……
子供がいい性能を持っているし、
どちらか結婚したらどちらかが永遠に生まれない、
ってのは酷なんだよなあ、自分にとって。
非倫理(自分のしたいほう)を選ぶか、倫理を選ぶか。
非倫理を選んだら、間違いなく叩かれるだろう。
間違いなく自分に偏見を持たれるだろう……
でも、でも、でも、非倫理的だと叩かれていいから、
やっぱり「本心に素直なルート」を作りたい……
数日迷い、本心に従った選択を選んだ。
二つの壁を乗り越えた瞬間だ。
同時に思ったよ。
「ま、罵倒されてもいいか。頭おかしいといわれてもいいか」
実際に罵倒は来ていないが、
自分の脳内から生じる批判や罵倒には打ち勝たねばならぬ。
何も人を殺すのでなく詐欺を働くのではない。
後に私の知人にゲームの内容を教えたとき、
徳川の時代なんて、浮気相手何人いたと思うんだい。
これくらい大したことないよ
励ましてくれた。
後から読んでも面白い文章
私はブログで記事を書いている。
メルマガでもnoteでも記事を書いている。
面白い文章の特徴として「本当のことを書く」と、
町田さんがおっしゃったとき、やっと自分に基準が生まれた。
「本当を書く」
自分の過去記事を読んでも「面白いな」と
「それほど……何を書いているんだ、自分は?」
色々な感想を抱くわけだ。
(この記事も数年後に読み直したときは……?)
面白い記事は実体験が伴っているだけでなく、
色々な方面から深く掘り下げている。
短調で終わらせるのでなく、
各方面の事情を載せたうえで本筋を追いかけている。
記事を書いているときも、
「記事の結論が浮かばない、こうしないと、ああしないと~」
悩んでいたのだが、先日書いた記事にて、
「ああ、結論なんてなくてもいいんだ。自然と出てくるんだ」
あらかじめ結論がわかるミステリーを描くのでなく、
書き手ですらどういう着地を行うかわからないサスペンスを描く。
自分でも予想しない展開に驚き、
全てを書き終えた後わかりやすく整理しなおして、
面白い記事ができると確信している。
そして今回、町田さんがおっしゃった秘訣「本当を書く」で、
自分の記事においても面白い基準(チェックポイント)がわかった。
「本当のこと(気持ち、偽らないなど)を書く」
町田さん、ありがとうございます。
