おはよう、しゃしゃ。
いい歳になっても漫画を読んでいる自分。
ジャンプで掲載中の人気バレー漫画ハイキューを読んでいた。
すると主人公が在籍するチーム烏野高校が鴎台に負けた。
もしかすると負けに見えてまだ続くのかもしれないが、
私が見る限り「確実に」負けた。
368で確実に負けた!
私は不服である。たかが漫画の世界だけどなぜ不服なのか?
自分の心に尋ねてみると、面白い答えが返ってきた。
烏野の敗因
キャプ翼も、スラダンも、テニプリも、アイシルも、黒バスも、火ノ丸も
「上級生が引退する負け試合をやりきる。」
はできなかった。
リスクしかないこの展開
これを選択できるだけの積み重ねが
ハイキューにはある。— 鈴木宏 (@saxblue13) September 29, 2019
漫画だと公式試合で烏野(以下烏)は一度負けている。
合宿では何度も負けているのだけど公式試合は違う。
一度目は青城(IH予選)で後に春高予選でやり返した。
「現実の時間軸=私たちの時間」で数年かかったけどね。
※最初、青城を白鳥沢、春高予選を全国大会を間違えていた。
正しい指摘に感謝しています。
今回は鴎台(以下鴎)との試合で、
主人公日向と同じくらいの身長で攻撃者の星海たちとの闘いだった。
星海がすごいのは漫画を読めばわかる。
日向もつられるかのごとく強くなり、ヒートアップしたものの……
日向が熱を出して降りた。続いて月島が足をつってしまい降りた。
一年生の主力選手二人が体調不良のため試合から外れた。
多くの読者は日向が離れた時点で「負ける」とにらんだ。
ファン考察ブログによるとコーチも敗北を察知していたそうだ。
自分は「まだ勝つかもしれない」と思っていた。
鴎は体調不良をだれ一人起こさず主力選手で戦った。
結果、烏のスキを見つけて小さな巨人が攻撃。
リベロがレシーブをするものの取れなかった……。
試合であり漫画の展開上仕方ないのだけど、
自分は「はじめの一歩」で一歩が3人目に負け引退したのを思い出した。
不満は残った。
理由1:梟谷との闘いが見たかった
日向にブロック技術を教えた優しいアタッカー、
木兎と日向のアタック対決が見たかった。
というより梟谷と戦うところまでは見たかった。
鴎台は梟谷と戦うまでの「小休憩」的扱いでしかなく、
「まさかこんな伏兵にやられるとは!」気分だった。
※鴎台ファンの方、ごめんなさい。
木兎は3年であり、烏が敗北したら二度と木兎たちと戦えない。
(もしかしたら何かしらの展開で戦うかもしれない)
梟谷との闘いが見たく、梟なら負けても多少は納得できた。
なお梟谷とは次にあたるのでなく決勝で当たる。
梟谷と戦うなら決勝でぶつかるしかない。
だからはじめは「烏も決勝に行くんだ」思っていた。
理由2:鴎台にたいした思い入れがない
私から見て鴎台は突然やってきた連中であり、
梟谷や音駒に比べると「ライバル校のストーリー」がない。
梟谷や音駒は合宿を通して得た仲間でありライバルでもある。
合宿中もみんなで試行錯誤し、時に教えあうなど、彼らにもサイドストーリーがあった。
梟や音駒に比べると鴎台は深いストーリーがなく、
突如現れた伏兵という感じで私は見ている。
突如やってきたので大した思い入れもない。
仮に合宿で鴎台も参加していたら、
多少納得できる気持ちはあっただろう。
また日向が高熱を患っておらず、月島も足をつらなければ勝てた相手だろう。
体調が絶好調であっても負けるなら仕方ないんだけどね。
勝負とはいえ梟や音駒に比べると、
烏から見てあまり裏話のない学校に負けるのが一番不服と感じた。
理由3:え、2年生から決勝まであと何年かかるの(汗
続いては1度負けると大きな大会まで現実では時間を要する。
現在およそ40巻であり、2年生編が出るとして大きな舞台の場まで……
また30巻以上、現実時間に直して数年もかかるのか。
漫画内では自由に時間調整ができるけれど、
私たちのいる時間はそうもいかない。
最低でも10巻以上=軽く3年以上たたないと、
全国大会での試合を見られないのか。
一部ではこの全国大会でハイキューを終えてしまうのでは?
現実時間を考えたうえで絶望になった。
納得できない理由を追いかけた結果
私は物語を書いている。
今回ハイキューで烏が鴎に負けた事実を知ったとき「そりゃないよ~」と思った。
自分の心を振り返ると梟との試合、
特に木兎と日向の戦いを味わえない苦痛が一つ。
「烏との関係」が薄い高校に負けたのが一つ。
鴎は強いよ。小さな巨人の活躍だけでなく守備陣もよかったしね。
今回の敗因も一言でいえば烏選手の体力だった。
記事を書いているうちに烏が負けた事実を受け入れるようになったが、
負けた相手が梟でなく鴎ってのがキツイ。
途中日向が「最強の囮」という自分の新しい役割に気づき、
試合中でまた一段階化けたなあと思った。
最強の囮として梟と戦うのだろうなと思ったら外れた。
鴎の小さな巨人星海は2年、日向は1年であり、
ハイキュー2年生編が続くなら必ず戦うだろう。
なお今回の記事を書くにあたり、ハイキューネタバレブログをいくつか読んだ。
参照:ハイキューのネタバレ368話を徹底考察!鴎台に敗北した烏野の涙
参照:ハイキュー 367話 ネタバレ 感想 春高 鴎台戦 決着 日向なしの闘いの結末
ハイキュー考察ブログって結構あるんだね。
バレー漫画でここまでよく考察できるなあと感心しながら読んでいたよ。
烏野は負けるべくして負けた
元々の烏野の目標は「もう一度あそこへ行く」「全国の舞台で音駒と戦う」だったので、音駒を倒した、その先は?となると、優勝を目指して奮闘してきたチームに比べ烏野は「準備不足」の感が否めなかったと思います。「チャンスは準備された心に降り立つ」ですね。
— 金属 (@kss138) October 2, 2019
記事を更新した後、記事に関する訂正情報及び、
烏野が負けた理由について深い考察ツイートをいただいた。
初めに烏の目的は優勝もだけど音駒と戦いたい。
烏の目標は達しており「次は?」という部分があるのだけど……ない。
負けた相手が鴎台である点について。「小さな巨人」は日向のバレーのルーツですが、現・小さな巨人との戦いを通して憧れと決別し自己を確立する、日向というキャラクターの根幹に関わる大事な試合でした。私個人の考えですが、負ける相手としては「ここしかない」と思います。
— 金属 (@kss138) October 2, 2019
ツイートを読むと「なるほど」考えさせられる。
特に鴎台との試合は日向にとって「次なる成長の分岐点」であり、
「新しい道=小さな巨人から最強の囮へ」という日向にとっての進化でもあり、
さらなる成長のために烏は負けるべくして負けた。
敗北にそういう狙いがあったのかと気づかされ、とても腑に落ちた。
鴎台は全国トップレベルのブロックにユースレベルのエース、イタリアリーグを経験している一流の監督、その監督によるメンタルコントロールを含めた徹底指導と、とにかく隙のないチームでした。烏野とは対照的なチームで、非常に相性が悪かったと思います。FF外から長々と失礼しました。
— 金属 (@kss138) October 2, 2019
とても素晴らしい考察であり、いかにハイキューが愛されているかも感じた。
うまく言えないのだけど、烏にとっての負ける理由と、
作者(or監督や演出家、脚本家など)にとっての負ける理由は違う。
とても面白い何かに気づかされた。うれしい。
最新話368で確実な負けを見た結果
【ネタバレ注意】368話→369話「負け た烏野、佐久早&古森を擁する井闥山、敗北危機」感想【ハイキュー!!】 https://t.co/o04nXoUYjl
— 夜景空館 (@UsHHTnaC0bHTzC5) October 7, 2019
負けた後の描写が実にそっけなかった。
大げさでなくそっけないからこそ、敗北時の現実が浮かび上がる。
ライバルが「よく頑張った」烏の選手をねぎらった部分はよかった。
あの描写があるからこそハイキューは暖かいし面白い。
ただ泣いているわけではない。
鴎に負けた悔しさという印象すら抱かせず、敗北しただけなのだ。
最後のコマで日向はただ見ていた。
彼の脳内は今、いろんな思考で満ちているだろう。
私としてはそっけない描写になんとも言えない気持ちを抱かせ、
日向と同じように「現実とどう向き合うか」を感じさせた。
烏にかける言葉なんてない。今は負けた事実のみをきちんと見すえるだけ。
まさかの超展開、高校をすっ飛ばして
色々と繋がっててやばい#ハイキュー pic.twitter.com/HonrCjnZ0c
— ぼーい (@MeshidaMasaka) October 12, 2019
ネタバレをしているツイッターやブログによると、
敗北後そのまま学校を卒業した後、ブラジル編が始まるそうだ。
ここまで過程をすっ飛ばしたら嫌でも納得するわ。
作者としても改めて2年生編を書くよりも、
ブラジル編など世界ユースに向けてさらなる強い敵と戦う方が面白いし、
筆のノリ具合も違うと考えたのだろう。
私は大歓迎しているよ。
思っていたので。
世界編では影山と日向が敵になるかもしれないし、
反対に今まで敵だった人が仲間になったり……
すっごいわくわくするぞ。

ちなみに現在行われているバレーボール大会では、
全戦全勝という素晴らしい成績を収めており、
新しい舞台がブラジルというのも納得できる。
準優勝梟谷、優勝はまさかのモブ校だと
展覧会来場者全員を対象に、入場チケット1枚につき「描きおろしクリアカード」1枚をプレゼントすることが決定!!
しかも曜日替わりで絵柄が変わるのでお楽しみに!!
(ただしプレビューデイは対象外です。)https://t.co/TrRTPXmiEd#ハイキュー #ハイキュー展 pic.twitter.com/MwaRaf3Xiu— ハイキュー!!展 (@haikyu_exhibit) May 11, 2020
2020年5月11日のジャンプでとうとう優勝校がわかった。
一林高校……あれ、そんな高校あったっけ?
梟谷は準優勝だった。まさか準優勝をとるとは。
それよりも優勝が名前も有名選手も話題にしていない、
まさにモブがとった事実にびっくり。
現在やっている社会人バレー編でも出ていない。
なんだろうね、ろくに絡んでこないモブが優勝すると、
「悔しい気持ち」を抱くのは気のせいだろうかw
負け方のシナリオを分解
シナリオという視点からハイキュー最新話を見ていた。
ほとんど苦しい試合で何とか勝利を収めてきたからこそ、
今回も苦しい状態だけれど「勝利を収める」図式が自分の中にあった。
ギリギリ勝ってからの敗北。
大半がギリギリの勝負であり、今回も勝つだろうと予測をしていたが……
見事に鴎の試合で期待はぽきっと折れた。
今回も勝つだろうという考えについて、考え方を変えると一種の習慣である。
習慣だからこそ「次もなんとか勝つだろう」思っていた。
敗北によって習慣が折れてしまった。
烏が何度も負けて勝っているチームならショックも少なかった。
公式試合の敗北を青城でしか体験していないからこそ、
今回の公式敗北はキツイものがあった。
※合宿では何度も負けている
最初から勝ち負けというよりギリギリ勝って何とか勝って……
ある程度「習慣化」させてからぽきっと敗北を味わう。
本当、ショックと怒りがわいてくるね。
読者に対して怒りと口惜しさを抱かせるためにも、ハイキューはいい漫画だ。
まだ読んでいない人はぜひ読んでちょうだい。
