二次創作は非親告罪の対象外と決まったそうです。
良かったあ、これで二次創作に再び取り組める。
と思ったら、私はあまり二次創作をしていないのです。
何というか、元の作者に対して「好き勝手にいじって申し訳ない」
という気持ちがどうしても出てしまうのですね。
後、元のキャラに似ていないことも多く、恥ずかしいw
それは置いとき、非親告罪にならなければ……
日本はアメリカの完全な植民地国になっていたかもしれません。
非親告罪になったとしたら?
非親告罪は「作者でない人がある絵を見た。
その絵が作者の書いた絵を使って同人行為などをしていると、
作者に変わって訴えることができる」罪です。
例を出すと、ドラえもんのパロディをしただけで、
「この漫画はドラえもんのパロディをしている、犯罪だ」
訴えることができるわけです。
よって、仮に非親告罪が日本で試行されると、
いろんな人がいろんな二次創作者、作家を訴えるでしょう。
何も訴える人は日本人だけではない。
世界中から「こいつ気に入らないから訴える」
と、クレーマーのごとく動く人もいる。
すると日本人にとって創作意欲より恐怖が勝利し、
未知の表現を恐れてしまう可能性が高い。
米国の非親告罪は海賊版対策
なぜ米国は非親告罪を要求したか?
海賊版(外国の図書を無断で複製)対策のためです。
自分らが作った商品を第三者が勝手に違法コピーを行い、
それを高値で売り飛ばすようなもの。
韓国や中国で時折話題になることとして、
新作映画をあらかじめビデオカメラなどで録画し、
家で編集を行い、DVDなどに焼いて売りつけるのです。
(売りつけずに動画サイトに公開する人もいるとか)
こんなことされたら、映画を作った会社などはたまったものじゃない。
だから厳罰化すべき。非親告罪はここで役に立つのです。
本当は映画を作っている人達が訴えたいのだけど、
自分らじゃ目の届かない範囲がある。
そこで第三者に訴えてもらうことで、
違法コピーなどによる海賊版を防ぎたい。
ただ、日本だとそれが二次創作という分野にまで及ぶ。
だから多くの人が心配していた。
参照:
非親告罪が通ればどうなってしまうの?
違法ダウンロード爆増でDVD売れず
TPP・非親告罪化によるメリットと二次創作やコミケへの影響
二次創作について
※ これも二次創作みたいなもの?
二次創作といえばどうしても成人向けしか頭に浮かばないのですが、
「もしこんなことがあったら……」と、普通の話も多い。
あるいは私のブログもある意味二次創作です。
元ネタがあり、そこから自分なりに考えたことを載せる。
同人は基本、
「今が旬だから売れるもの」商売と割り切って作る人、
「ある作品に感動し、お礼がしたい」と考える人、
「ある作品に不満をもって、自分ならこう作る」意気込む人。
(私はこのタイプ、作品を作るきっかけはたいてい不満から始まる)
いろんな動機があります。同人作品を売る場所がコミックマーケット。
近隣のコンビニエンスストアは爆売れするそうで、経済効果もあります。
慎重な意見
「海賊版対策に有効だが、『商業的規模』や『原著作物の収益性に大きな影響を与えない場合』について明確化を図り、被害者が処罰を望んでいるか否かを十分考慮するなど適切に制度が運用されるべき」(JASRAC)
映画作品のデッドコピーなど、極めて悪質な行為を対象とすれば十分」(日本映画制作者連盟)
「同人サークルの大半はファンや趣味としての活動。非親告罪化は著作権者にすら萎縮をもたらし、多様な作品やコンテンツを生み出す日本独自のエコシステムに多大な悪影響を及ぼす」(コミックマーケット準備会)
他、二次創作は漫画家の赤松健さんの活躍なくして、
乗り切れなかったのではないかと考えています。
「検察は公訴を提起する前に、権利者に公訴を望むか聞いてほしい。それを条文に反映させて欲しい」
彼らの貴重な意見により、二次創作は非親告罪の対象外とする。
決まった、本当お疲れ様です。
参照:赤松健氏のホームページ
日本が持つゆるさ
※ ゆるゆりというアニメの主人公、緩い百合だとか
日本で非親告罪を受け入れない理由として、
文化の基本が「模倣」を基本としているからです。
もし日本の文化が「模倣」から始まらなければ、
「別に非親告罪でいいんじゃないの?」思うでしょう。
日本とアメリカでは著作物に対する扱いが違います。
根本を見ていけば、文化や創作に対する考えも違う。
日本は先人の技術や心などを盗みます。
盗むといっても泥棒になるわけでなく、
「お前は俺の働き方を見て覚えろ」という意味で盗むのです。
また、より早く技術を自分のものにするため、
読み書きそろばんといった教育も欠かせません。
数学をやることで、世の中の隠れた仕組みをつかみ、
国語をやることで文章を理解しながら論理的に物事を考える。
後は道徳を学ぶことで、世の中はお金以外の価値も含んで、
動いているんだと認識するのです。
非親告罪と植民地国
非親告罪の対象外として、日本は知的分野を守ったわけです。
知的分野であり、未知への創作分野を守ってくれた。
創作は未来を作りますから、可能性を封じられなくてよかった。
ここで話を植民地国に変えます。
関連は「相手の考えに強引に乗っかる」ということ。
すなわち、非親告罪を導入したら考え方が米国に染まる。
日本はそうならなくてよかったと考えています。
染まったら完全な植民地への駒を進めますからね。
ところで歴史を紐解くと、植民地になった国は多い。
武力という理由もあるけれど、それ以外もある。
キーポイントは「現状から未来認識」と「道徳」の違いです。
現状と未来認識
江戸時代の終わり、アメリカ含む外国がやってきた。
中国(当時は清)がアヘン戦争によってイギリスに植民地化された。
これを見て最も焦った国が日本。
日本人は中国などの情報誌「海国図志」を多くの武士が読んだ。
明治維新につながった一つのきっかけです。
ポイントとして、江戸時代はほとんどの人が読み書きできたこと。
他国を見ると、いまだに読み書きすらできない、
そもそも「言葉による会話」しかできていない国だってあります。
(俗にいう識字率、江戸時代は高かったそうだ)
「会話」と文章を読み書きできるの違いは論理思考です。
私たちは文章を整理するために文章を書きます。
結果、論理思考ができるようになります。
しかし「会話」だけだと脳が混乱してしまい、
どうしても「その場の感情」で物事を処理しやすい。
人と実際に何か議論するときわかるので、試してみてください。
私たちは読み書きで相手の話や考えをいったん整理できる。
よって、相手の罠や考えに対し、冷静になれた。
参照:
世界が驚嘆した識字率世界一の日本
幕末日本人の海外知識『海国図志』
道徳(優先価値観)
※ イギリスはまた別の価値観があってねえ……
インドネシアの鉄道受注を見ていたとき、痛感したこととして「道徳」です。
道徳というよりは物事の価値観と言いましょうか。
インドネシアは「品質や安全」よりも「お金の安さと利益」を取った。
裏では中国とつながりを持ち、日本から色々引き出したうえで、
中国に受注を依頼しました。日本は投資する人が逃げているそうで。
彼らを通し「自分」だけを考えるか、「国」を考えるかが浮き彫りになりました。
「国」思考から「自分」思考にする手段としてお金がある。
大金を積んでころっと「国⇒私」思考になる。
結果として、「私」だらけの考えを持った集まりになり、
「国」としての考えがおろそかになってしまう。
国意識がわからない場合、家族意識を持ってみてください。
家族を優先するか、私だけを優先するか。
例えばしゃしゃ(あなた)に妹がいたとします。
「妹を100万円で売ってくださいよ」
と言われたとき、「家族」意識があると断ります。
しかし「私」意識があると妹を差し出すのです。
理由は「私」意識だと「私が良くなること」が第一優先であり、
「家族」意識だと「私を含む家族が良くなること」が優先だから。
今回、非親告罪が適用外となったことについて、
「私」意識を持った人たちより「国」意識を持った人たちが多かった。
「国」といっても人によっては「音楽家全員」であったり、
「創作者全員」であったりと、全体思考を持っていた。
これがなければ今頃、非親告罪は普通に受け入れていたでしょう。
アメリカが非親告罪を合法としている理由は、
海賊版以外にも「私」意識が強いからだと考えています。
他、もっと掘り下げると宗教観の違い
(一人の神かそこらじゅうにいる神の違い)など、色々ありますね。
結びに:二次創作の自由
二次創作が自由にできる。
作者として時に自分の想定外の内容を出されると、
(例:作者が創作した女の子が多数の男にひどい扱いを受けるもの)
「ふざけるな」と思うこともあるでしょう。
それでも認めることで、自由度が増していく。
いいのか悪いのか……一生答えは出ないでしょう。