私の母からこんなお話を聞きました。

作家の平岩弓枝氏がいます。
彼女は「御宿かわせみ」シリーズの作者と言えばわかる人は
多いと思いますが、彼女にはたくさんのファンがいます。

そして平岩氏は作品を公表するのですが、
作品中に人物の矛盾があったらすぐ連絡が来るそうです。

さて、話はこれだけですが、
実際に作品を書いていて難しいのは矛盾に気づくこと。
特に小説と言っても書くことは自由だと思ったら大間違いで、
むしろ小説ほど不自由なルールにのっとって書いていく作業だと、
つい最近、気づきました。
自由なルールは矛盾を生んでしまい、
結果として自分自身を追いつめていくんですよね。

平岩氏の他にも、「孤独なる遊戯」を記した作者、高橋和巳氏が
こうおっしゃっています。

「作家の最大の戦いの相手は、どう書いても別にかまわない
という、その自由さなのである。
作品の成功、失敗はそれゆえ、いかに巧妙に自分を束縛するか、
いかに新しいルールを確立するかにかかっている」

高橋氏は他にも小説において「作家は一人勝負を大真面目に行う」
など面白いことを述べています。

実は私自身も作品を最初は自由に書いていました。
絵でいうと、まずは骨格など気にせずに自由に書くと言うことです。
でも、それだけじゃ限界がきます。
すなわち、実際の人間像、実際の絵、可愛い絵ですら
矛盾を感じてしまうのです。

それに気づいてから初めて、
本格的に人体構図などを勉強するようになります。
私も最初の絵を見ると骨格はおかしいし、
線は太くにじんでいるし、色々な意味で汚いなあと
思える絵ばかりでした。

で、小説も同じで最初は自由に書くのですが、
そのうち、自分自身で大変な目にあうのです。
すなわち、矛盾がある……。

矛盾ほど、本当に頭を悩ませ、時間をかける存在はありません。
でもって、こいつを解決するために
自分は以下の方法を使って防いでいます。

1 メモ帳などに『伏線』というメモ帳を創り、設定を記す
2 出来上がった作品に対して『疑問』というメモ帳を作り、
  そこで読んで感じたことをとことん書いていく
3 シリーズものは必ず『伏線』と『疑問』をみて、
  前シリーズからの疑問に答えているのか、
  あるいはまた根拠を記して次回作に伸ばすのかを検討する
4 他人に作品を読んでもらう(読んでもらうのが恥ずかしいなら、
  7日後の自分に読んでもらう)
  ※自分で読むときは声に出すといいよ。

しかし、これでも矛盾は出てくるものです。
もちろん、頭で整理しないので、それだけ矛盾を減らして
書きやすくなっていますが。

そこで、もう一つのものを持って、
矛盾を最初から減らすように工夫をしました。
それは文章を書く前にまず、漫画として記すことです。

もちろん漫画と言っても、
絵コンテでございますが、絵コンテは図像に加え、整理しやすい。
実際、自分は数学の問題を解いている時、
そして物理の問題を解いているときに思いつきました。
絵を書いているときは全く思い浮かばなかったのに。

ちなみに絵コンテのやり方は
コマに絵を描くか、設定を書くか、そこは自由です。
どうせ小説なので、最低限の雰囲気さえ分かればそれでよろしい。

伝えるべき描写ポイントができたら、
その部分をコマにして書いたり、
後、ギャグを書くとしてもオチが大切なので、
オチにもっていくためにあれこれ試行錯誤するのもよし。

(使用ツールはsaiを使っています。
書きあげたらpng保存をして、どんどんと前の奴を消しては
新しいのに書きあげていきます)

でも、流れのキーポイントになるところは
随時、NO1,1といった感じで付け加えていけばいい。
こうしてあらかじめ設計図を立てておくと、
それだけ矛盾を整理できてやりやすくなると。

もちろん、最初は矛盾関係なく勢いで書いてもいいのですが、
勢いの9割は消えてしまいます。
まれに自分も矛盾関係なく文章を記していき、
でき上ったものを乗せたりすることもありますが、
たいていはこうやって事前に準備をしてから
作品を執筆していきます。

どんなに『高次元』のメッセージがきて、
それをただ記して言ったんだ……(童話作家の宮沢賢治氏はこのタイプ)

といっても、それが矛盾関係ない人たちをターゲットにするなら
いいとしても、大概作品にはある程度の矛盾が出てきます。

それに高次元のメッセージも矛盾で突っ込まれたら
後で自分を悩ます存在になりますし。

とはいえ、自分も最初は息詰まるまで
矛盾関係なく記していくんです。
何しろ大まかな流れは書いてつかめるものですし、
レトリックなどもそういうときに浮かんでくるので。

ただ、ただ、矛盾が出てきたらそれらレトリックは
すべておじゃんになります。

本当に作品を記すと言うのは
高次元のメッセージ(何も考えない状態で描くこと)を受け取るものの、
書いているうちにどんどんと矛盾が出てくるので、
メッセージを消すのに結構勇気を必要とします。
そういう伝言はたいてい、自分自身の主張につながるものなので。

後、最後に作品は必ず音読しましょう。
音読で違和感がなくなってから完成と言えます。

音読すると客観的な視点にさらに立つことができるので、
その分、細かい修正ができます。
音読なら3日あれば1Mbくらいすぐ終わりそうですけれどね。

スポンサーリンク(広告)
メールマガジン登録

note

読者購読規約
powered by まぐまぐ!
記事拡散のお願い

著者紹介

千賢 光太郎
千賢 光太郎

ティラノスクリプトや小説家になろう、ピクシブ他で物語を書きながら、
「私が気になった事件」の裏側を作家の視点で書いているおっさん。

雷が苦手で、光を見ると頭が固まる(元から固い)。
月初めは墓参りと神社参拝を行い、賽銭箱へ1万円を入れた際、とても気持ちがすっきりした。

0歳:釧路のある病院で生まれる。暇さえあれば母乳を吸って、ご飯を4膳食べても体重が落ちるほど、母のダイエットにものすごく貢献したらしい

3歳:行方不明になり、全裸で海を泳ごうとしたところ、いとこのお姉さんに発見され、この世へ留まる

8歳:自分のお金でおもちゃのカードを初めて買い、経済を知る。なぜか父親に怒られ、家出するがすぐに見つかる。

12歳:学校で給食委員長になる。委員長として初めて全校生徒の前にて演説する際、原稿用紙を忘れてアドリブで笑いを誘いながらも何とかやり過ごし、多くの生徒に名前と顔を覚えてもらう。また、運動会の騎馬戦では変なアドリブを行い、多くの笑いを誘った。

18歳:初めて好きな人ができたけれど、告白が恥ずかしくてついにできず、別れたことを今でも根に持っている(妻となる人にははっきり言えてよかった)

21歳:大学在学中、アルバイトを始める。人手不足かつとても忙しい日々を過ごしながら「どうせなら自分から楽しいことをしていきたいなあ⇒起業って選択肢があるのか」働き方の選択肢を見つける

27歳:自分で作った会社がうまくいかず、一度たたんで都落ち。実家でとことん自分を責める日が続く。「何をやっても駄目だな、お前は」など。自分を責めても自殺ができず、体中から毒素があふれ出て苦しい日々を送る。寝るのも怖かった日々。

28歳:「このままじゃいけない」決心を決め、小学校からの勉強をやり直す。高校の勉強で躓きながらも、学び直すうちに「自分は何もわかっていなかったんだなあ」大切な教えに気づかされる。
加えて、小説やイラストなど「今までの自分が手を出さなかった分野」に手を伸ばしてみた。

29歳:「定義」と「自己肯定」こそが生き方を決めると気づかされ、不安な日々が起きても、心が強くなったと感じる。でも子供の誘惑にはめっぽう弱くなる。

自分の生き方はすべて自分が握っている。わずかな瞬間にしか現れない「自分の真実」を表に引きずり出し、ピンチからチャンスを生み出す発想や視点をブログやメルマガ他で提供中。

Pocket