※ パイロット公式HPより
ども、しゃしゃ。
パイロットHPを開いたら久しぶりに「欲しい」万年筆を見てしまった。
カスタム845よりも太いURUSHI(うるし)タイプだ。
体積が845より大きいところに「素晴らしい」魅力を持っている。
高価な万年筆にある「私を支えてくれる」気持ち
持ちものというのは、やはり自分の職業、年齢、服装に合ったものでないとおかしい。たとえばトンネルでヘルメットをかぶって仕事をしている時に、ウォルサムでもカルチェでも凄い金づくりの時計をしていたらおかしいでしょう。工事現場で時間を見る時に必要な、役に立つ時計でなくちゃね。
— 池波正太郎_bot (@ikesyou_bot) August 14, 2017
子供からこんな質問を受けた。
「どうして万年筆を買ったの?」
大学生時、作家になろうと考えていた。
鬼平犯科帳で有名な池波正太郎さんが、モンブランの万年筆を握っている。
「一流の作家は万年筆が必須なんだな」
必ずしもそうとは言わないけれど、万年筆に価値を抱いた。
万年筆なら100円均一でも販売している。
でもね、安い万年筆には「自分の目指す姿」が見えない。
値段が高い万年筆には「自分がそうでありたい願望」も込めている。
値段が高い→自分はこうである
ひとつの自我同一性(アイデンティティ)を抱くんだ。
※ アイデンティティ:自分が自分であること
価値の高い万年筆を得る→超一流作家の仲間入り
→すでに「私」は超一流作家として仕事をしている
現在、あなたが作家初心者だとしても、
「一流作家」へ気持ちを上げる力が高価な万年筆にある。
自分の魅力をぐっと引き上げる存在として、私は欲しいと思った。
ただ書くだけなら書店にある100円均一や1000円ほどの筆で十分だ。
「書く以上の意味」を持つと、うるしに惹かれてしまうのだ。
書く以上の意味こそ、あなたのレベルを引き上げてくれる手段であり、
あなたが落ち込みそうになった、挫折しそうになっときこそ、
「あ、この万年筆に私は支えられている」
自信を取り戻すための道具として人生の相棒、時に忠告者となってくれる。
太すぎるよ、あなた
※ 公式サイトのペン一覧から
スミ利文具店さんのサイトから万年筆URUSHIの大きさがわかる。
(URUSHIについて熱く語っているよ)
黒い漆は光沢がある。黒いのに光を当てるとキラキラ輝く。
輝く部分を見ると「本当、高価なものを手にしたんだなあ」自覚する。
100円や1000円程度の万年筆に光沢はないからね。
手首や腕に大した力を入れなくても、万年筆はす~らすら文字を描ける。
ボールペンやシャープと違って余計な力を入れないから、
筆圧に関係なくうまい字を描ける。
とはいえ、私の字は下手くそだ。
下手くそだけど、古文でよく見る文章のように、
すーらすら違和感なくメモを書ける。
カスタムうるしは大きいので、74よりも力を入れず、
すらすらと描けるだろうね。
※ 参考としてマッキーの油性細ペンと太いペンを比べて描いてみよう。
ペン先が太いと手首に余計な力を入れないよ。
エボナイト樹脂を取り入れる意味って?
先ほど載せたスミ利文具店さんのサイトを見ると、
エボナイト樹脂がどんな意味を持つのか。
エボナイトは硬くて光沢をもったゴムだ。
ふっくらとした曲線を描ける万年筆にエボナイトが使われている。
「だから何?」
そこでよりエボナイトの意味を調べた。
まずは手作り万年筆を販売するサイトに書いてあった。
素材作りから仕上げまで、エボナイト製の筆記具は何人もの職人の手を経てできあがる。
一つの製造工程において、素材、気温、工具など微妙な変化に合わせながら対応する。
エボナイトはしっとりと手になじむ高級感ある質感が特徴。
引用:手作りエボナイトの意味
別のサイトではこう記されてある。
エボナイトは機械的強度の強さも魅力であり、万年筆の部品としてはもちろん、ボウリングの玉やクラリネットなどの楽器のマウスピース、喫煙用パイプのマウスピースによく用いられてきました。
エボナイトは加工が難しく、製造には高度な技術が必要であったため、現在ではエボナイトの万年筆は少なくなりました。
エボナイト製の万年筆は微妙な変化に適時合わせ、
職人たちの魂をぐっと込めた結果、生まれた熱い筆だ。
微妙な管理でできるからこそ、扱いも気をつけないとすぐ壊れてしまう。
きちんと万年筆を愛する気持ちがないと、手に取らないほうがいいかもしれない。
ツヤツヤを保ちたい
先ほど載せた引用サイトにこうも記されてあった。
エボナイト万年筆の問題点としては、劣化すると割れやすくなるという点です。日常の使用では問題ありませんが、紫外線に弱いので直射日光を避けて保存しておく必要があります。
万年筆うるしは何度使っても、購入状態の艶を保つ工夫をしている。
工夫の一つこそ、エボナイト樹脂に費やす漆塗りだ。
エボナイト樹脂を覆うように漆塗りがなされている。
めっきを付けてさびにくくするようなものだ。
人間の皮膚から現れる「汗」はいろんな化学成分を含んでいる。
汗によって樹脂が別な色へ変わりやすい。
万年筆は紫外線と極度の乾燥に弱いため、
- 日光が当たる場所
- エアコンの風がよく当たる場所
これらに置かず、ペンケースや風のあたらない場所においてくれと。。
知らないまま、74を日の当たる場所に置いていた(汗
ごめんよ、74ことまんちゃん。
漆と漆風の違いと意味
万年筆うるしは漆で仕上げている。漆って何を示すのだろう。
というより漆を入れるとどんな効果が生じるのだろう?
漆といえば陶磁器だ。100円均一と高価な漆茶碗の違いを調べた。
参照サイトによると漆は贅沢に見せるための手段だけでなく、
時間がたつほど固くツヤも生じるという強度目的だ。
漆は天然木で作られており、保湿性と断熱性に優れている。
もちろん腐敗防止や防虫効果にも優れており、酸やアルカリに強い。
そして色がはげる心配もないため、
安物を使ってはげたときに感じる残念さを抱かない。
安物と比べると漆茶碗を持っても熱さを感じず、
使う人に不快感を抱かない仕様となっている。
天然のママ加工するため、木が渇くだけでも時間を費やすうえ、
職人による手作業でキレイに整えていくため、時間もかかる。
なお100円均一などで販売している漆塗りの陶磁器は「漆塗り風」であり、
水に沈めて手を放すと浮くそうだ。
最後に漆の歴史を調べたところ、縄文時代ですでに使われていた。
縄文土器の接着や装飾に使われ、漆の木はアジア圏にしか咲かないという。
歴史を調べると、特殊な木なんだね。
漆の茶碗:越前漆器 夫婦椀(夫婦汁椀) さくら材 摺漆赤・摺漆黒 2客 (木製 漆塗 うるし塗 )805402
参照:【漆塗りお椀】「100均」と「百貨店」は何が違う? 本物の見抜き方や、お手入れ方法教えます
カスタムウルシを買うならどこがいい?
カスタム漆はパイロット公式サイトよりも、アマゾンや楽天などで扱っている。
お近くの文具店で注文するのもいい。
エボナイト樹脂+漆塗りという環境が特別のためか、
在庫切れの確率が高い。受注生産でものすごく力を入れているんだね。
楽天だとショップによってカードへ申し込めば5000円引きだ。
アマゾン:パイロット 万年筆 カスタム URUSHI 漆黒 中字(M)
楽天:【メーカー取り寄せ/代引き不可】パイロット 万年筆カスタム URUSHI・FKV-88SR-B-B(太字)
楽天2:【数量限定】パイロット 万年筆カスタム URUSHI
楽天3:CUSTOM URUSHI(カスタム ウルシ)漆≪朱≫発売 万年筆 18K 30号 エボナイト ペン先(中細/FM、中字/M、太字/B)のみ パイロット
力強い自分を創っていこう。
追記:なぜ干支蒔絵万年筆でないのか?
アマゾン:PILOT 万年筆 干支蒔絵 酉 中字(M) FKVN20MP-TOM
パイロットで一番高い万年筆は干支の絵を入れた万年筆だ。
私にとっては干支絵よりもうるしのほうがより高い価値を抱いている。
値段でいうと干支絵の半額がうるしだ。
うるしと干支絵は絵があるかないかが一つの違いとなっている。
また干支絵は完全受注生産であり店頭に置いていない。
強いこだわりと意味(己の生き方を含む)にこたえる道具である。
私は干支絵自体がいらないのであり、何も描かれていないうるしのほうに力強さを感じた。
衣類だと余計なロゴがあるシャツよりもユニクロのような、
何もロゴがなくて無個性であるほど、私にとっては強烈な魅力を抱く。
私はクリエイターだ。クリエイターは基本、真っ白な画用紙と鉛筆さえあれば
思った世界を表現するほうに力を費やす。
クリエイターとして干支絵はすでに出来上がったイラストを見るのであり、
うるしは真っ白なキャンバスをもとに、自分でいろいろ表現可能な筆だ。
また干支絵万年筆を使い続けると、汗と脂によって絵の部分がはげる。
はげたら少し魅力がなくなる。
だから私は何も描かれていないうるしのほうに力強さを抱く。
何もないからこそ絵がはげる心配も抱かない。
ただただ自分を支えてくれる道具でい続けてくれるからだ。