ついさっき、家族で買い物をしていました。
場所は生協です。生協は今でも温かみがあって大好き。
ちょうど広告の品として出ていた洗剤用品がありました。
本体と詰め替え用を購入するとき、ちょっと家族の間で迷いました。
そこで数学を使い、購入を決定したのです。
今回は経済学と数学の話を含む、買い物話です。
値段と量を比較する
広告の品として出ていた洗剤アリエール。
本体がお試し価格で198円 600g。
詰め替え用が10%増量で278円、850g。
家族がとる行動は以下の通り。
1 本体を2つ買う……396円で1200g
2 本体一つ、詰め替え1つ……476円で1450g
差額80円となっており、
「たいした変わらないじゃないか」思ってしまいます。
でも、生協で買うときはこの80円が結構でかい。
残り80円でお菓子を購入できる、他のものに費やせる。
けち臭いといえばそれまでですが、買い物は限られた予算において、
自分たちが最も得をする行動をとるゲームと考えると、
とてつもなく面白い娯楽です。
そこで、得をする手段として必要な経済学と数学。
どうすれば得をとれるのでしょうか?
比率計算
※ 黄金比、画像はこちら
数学で使うべき計算は比率です。値段と量の比は必ずやっておく。
本体198円を四捨五入して200円と置き、詰め替え278円は280円です。
200:280を約分していきます。
2で割って100:140、10で割って10:14、2で割って5:7。
最も簡単な整数比に表すと、5:7となります。
そしたら今度は7を5で割って、1.4となります。
すなわち1:1.4と、1を基準にして考えるのです。
次に量に入ります。
本体は600g、詰め替え850gです。
同じように計算していきますと12:17となりました。
そこから1を基準にすると、1:1.4。なんと、同じ比率となったのです。
ここで考慮すべきことは「量」を見るか「値段」を見るか?
値段を見ると、本体二つを購入したほうが良い。
でも量を見ると本体一つ、詰め替え一つのほうがお得。
量で見ていくと、本体二つを購入すると、1200g扱えます。
詰め替えは一つで850g、二つで1700gです。
これは本体三つ購入するのとほぼ同じです。
グラム差100g、本体三つから詰め替え二つを引いて40円。
この100gをどう扱うかで、購入選択が決まっていくのです。
私たちは100gなら別に切り捨ててもいいや。
判断し、本体一つと詰め替え一つを購入したのです。
本体二つ:396円で1200g
本体一つと詰め替え一つは476円で1450g
比率を見ていくと、1:1.2と0.2ポイント下がりました。
得をしたのかな……と思っています。
比率計算はそろばんで
比率計算を行うとき、そろばんを頭の中ではじくとよい。
そろばんがないなら、スマホをお持ちなら電卓を使いましょう。
スマホがないなら携帯あるいは100円均一で電卓を購入し、
計算してみるとよいでしょう。
私はそろばんを習っていたので、人差し指を動かして計算します。
すぐに割り算を行い、比率を求めて最適な行動をとる。
算数は「比率」が重要だなあと気づかされたのです。
なお、暗算を鍛えるなら「トモエそろばん」
にある計算式を使い、鍛えておきましょう。
そろばん:トモエそろばんのフラッシュ暗算
身近に使う線形計画法(応用がゲーム理論)
※ 線形計画法は「最適化問題」として使われているそうだ。
比率のほかに今回扱っている部分は数学の線形計画法です。
線形計画法とは限られた領域の中から、
ある計算式が与えられたとき、最大の数を見抜くことです。
買い物だと限られた予算の中から、
最も効率の良い買い物を探す手段として使います。
数学2の「軌跡と領域」で習い、
大学入試だと、領域計算とグラフを描かせる問題が多い。
線形計画法をより幅広く見ると、
経済学で習うゲーム理論につながっていきます。
※ 囚人のジレンマ以外だと交渉術もゲーム理論
有名な囚人のジレンマとして、二人以上の囚人がいたとき、
自白を取るか、黙秘を取るかで囚人たちが最も得をする、
あるいは大損をこく選択肢を決める方法です。
基本は一つ。
「限られた範囲内で自分が最も得するには?」
得をするなら必死に頭を働かせてみてくださいね。
帰納法と演繹法
帰納法は個別の事例から一般法則を導き出し、
演繹法は一般法則から個別事例に当てはめていくこと。
経験論(イドラ:先入観の意味)のベーコンが帰納法を、
合理論かつ座標の生みの親であるデカルトが演繹法を、
それぞれ主張しています(倫理に出る分野)
買い物するとき、広告の品を通して、
「いつ、どこで、どんな品物を手に入れると、
最もお安い値段で購入できるか?」
チラシを比較することで最安値を見つけ出し、購入。
ポイントカードを駆使し、少しでも払うお金を減らす。
家計簿をつけ、次回予算を見通してメニューなどを考える。
ここらに帰納と演繹を使っているのですね。
本質の摘出が応用に結びつく
※ ジャイアンの本質はきれい
人間、気づかないだけで、
実は当たり前のようにすごい技を使っています。
買い物一つを見ても、頭を働かせることによって、
最大限の利得行動につながっていきます。
そこで、当たり前に使っているものに対し、
背後にある「一般化した法則・仕組み」を見抜ければ
別の分野にも応用できるのです。
私の場合、現代文の問題を一時期、たくさんといていました。
大人になって高校生の勉強をやり直したのです。
その時、現代文が最も苦手だったので、
何冊も現代文の本を購入し、一つずつやっていった。
そのうちに現代文にたいし、
どう取り組んでいけばよいかがわかるようになった。
現代文の本質として
・出題者の「狙い」を見抜く
・段落のつながりと役目を見抜く
詳細:受験を超えた現代文攻略
基本、この二つを見抜いたらほかの分野に応用します。
その一つが買い物です。
・自分が最も得をする買い方とは?
・値段と量の関係は?
「自分が取りたい行動」を明らかにすることで、
今まで習った部分が別分野にも応用できるのです。
だからこそ今、自分がやっている分野を整理しなおしてみてください。
必ず本質が見つかり、応用できると考えています。
※ 余談
買い物のほかには世の中の流れを見る指標として使います。
現代文で培った分析力を通して、あるニュースから流れる背後、
隠されたメッセージ(筆者が述べる覚悟や責任、態度)を見抜くのです。
終わりに
買い物をするとき、算数だけでなく数学も使っています。
しかも「ゲーム理論」という高度な経済学まで駆使している。
それに私たちは気づいていない。
高度な技術を使っているにもかかわらず、
「当たり前」過ぎで気づかないものはたくさんあると考えます。
気づくために、「当たり前」に疑問を持ち、疑っていきましょう。
必ず背後に働く仕掛けが見えてくると考えています。