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受験生

おはよう、しゃしゃ。学生時代に思ったこととして、
「なんでこんなもん勉強せなあかんの?」

今、私はある事情から、古文漢文を勉強しています。
勉強すればするほど、面白い事に気づきました。

ご自身の文章力やコミュニケーションを上達させるなら、
古文漢文はぜひやっておくこと。

 

抽象化や察知力

鬼を追い払う女の子

難しい上、わかりにくい⇒難解
僕は君が好き⇒僕好君
のび太、行こうぜ⇒のび太、行かむ。

現代語訳に比べると、言葉を省略していますよね。
言葉を削りながらも、伝えたいことを手短に言う。
すなわち言葉を抽象化していくのです。

抽象化ができると察知能力が上達します。
例として、和歌は57577の中に自分の気持ちを込めていきます。
しかも直接込めるのでなく、やんわりと伝えるのです。

 

漢字力の上達

燃えシャツ

※ 漢字シャツの詳細はこちらから

例えば「」という言葉がありますね。

機会:あることを行うのに調度良い時期
機械:上記や電気の動力によって、同じ動きをする道具

同じ「機」なのに、下にくっつく言葉は意味が違います。
漢和辞典で「機」を見ていくと……

1 はた、布を織る道具
2 部品を作って組み立てた仕掛け(機械)
3 物事の細かい仕組み(機構)
4 物事がおこるきっかけ(機会)
5 人にはわからない細かい事柄(機密)
6 心や物事の働き(機能)

たくさんの意味がありますね。
漢字は表意文字で、文字自体に意味を持ちます。
だからいろんな言葉とくっつけることで、新しい言葉を作れるのです。

また、新しい漢字を作るときは漢文に沿って意味を考えます。
機会⇒機に会う⇒物事が起きるきっかけ+出くわす

強引な例ですが、書き下し文のやり方で漢字に送り仮名をあてます。
漢字に送り仮名を当て、書き下し文を使うとき、
漢和辞典を使って「漢字が持つ意味」を調べなければ使えません。

結果として、漢字力が養われていくのです。

 

日本人にとって英語が難しい理由

英語だと
機会:Opportunity chance 他
機械:Machinery instrument 他

アルファベット表記が全く違いますよね。
「それがどうしたの」と思うでしょう。

英語は表音文字です。
すなわち、文字だけでは「何を意味しているのか」わかりません。
日本語における表音文字はひらがなです。

例をあげますと、「くつをはくおんなのこにであう」という言葉。
多くの人はこう思うでしょう。「靴を履く女の子に出会う
でも、「靴を吐く女の子に出会う」と表しているかもしれません。

普通、靴を口から吐く女の子はいないので、
「上靴を履く女の子」を思い浮かべます。
しかし、書き手が「靴を吐く女の子」を表現したい場合、

お前は

読み手は頭が混乱しますね。
漢字があると、意味による違いも推測しやすい。

しかしひらがなだけだけで言葉を書くと、
「相手が伝えたい思い」を間違えることがあります。

英語の難しさはここにあります。
英語は表音文字なので、単語や文章だけ並べられても理解し難いのです。
(ハングル文字は表音文字だらけなので、解説本が分厚いらしいですね)

 

表現感度が良くなる

川の流れ

古典は「省略」の文学です。
主語はもちろん、目的語や意味も削るにだけ削ります。
削っているんだけど、大切な部分はきちんと残している。

無駄が無いわけです。
でも、省略されているから自分で補う必要があります。

補うことによって、解釈や表現力が高まるのです。

山鳥

※ 画像はweb辞書より、確かに山鳥の尾は長い

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

柿本人麻呂さん作の百人一首です。

意味はこちらのサイトから引用します。
 

山鳥の尾の、長く長く垂れ下がった尾っぽのように長い夜を、
(想い人にも逢えないで)独りさびしく寝ることだろうか?

この和歌を仮に俳句へ変えると

しだり尾の ながながし夜を ひとり寝む
(これは意味が違うな……)

省略しながら心情を伝える。
柿本人麻呂さんは長い夜を表現するために山鳥の尾を用いたのでなく、
長い夜を過ごすことに寂しさを感じる。
想い人にも会えずに嫌だなあという気持ちを持っている。

長い夜が自分にとってどんな心情を持っているか?
をあらわすために、強調したのだろうと思われます。

 

表現力を高める工夫

表現力を高める方法として、文章を読むだけでなく、
文章がもたらす解釈を必死に考えることで、身につきます。
ただ考えるだけでなく、単語、文法知識や背景知識。

特に柿本人麻呂さんが生きた時代を調べることで、
「なるほど、これは確かに辛い夜だろうなあ」
相手の気持がわかるようになっていくのですね。

こういった情報はたいてい、参考書や古典解説本に書いています。

 

ツイッター文字数の背後に和歌・俳句

2015年1月6日にツイッターが140文字から1万文字に拡大します。
という意見が流れ、日本人の中ではおおむね不評です。

英語は表音文字だから、単語をつらつら書かないと通じない。
しかし日本語は表意文字だから、漢字だけでも通用する。
古文で学ぶ和歌や俳句、漢文で学ぶ漢字が影響を与えていますね。

英語だと伝えたいことでもすぐ140文字を超えてしまうが、
日本語だと140文字以内で思うことをきちんと伝えられますよ。

本当に日本語を扱えてよかった。普段、文章だらだら書いているなら、
古文や漢文はきちんと勉強しておこう。簡潔に物事を伝えられるよ。

 

古文漢文の勉強法

 

受験勉強として行う場合、目的は問題を解けれるようになることです。
私は古典を原文で読みつつ、自分の文章に応用するために勉強をしています。

学ぶ目的が違うため、巷の受験対策とは違うと思います。
それでも良いならご参考にしてください。

本格的に行う場合、最低でも三冊ほど揃えておきます。

・練習問題集
・辞書(ネットにある)
・文法書

3つ用意したら、私はこの順番でやりますね。

1 文章に慣れる
2 文法や単語、古典常識
3 設問の研究

 

音読で古典アレルギーを減らす

古典は身近に慣れ親しむことが大切です。
音読することで文章に対するアレルギーを感じなくさせます。

古文なら現代語訳を黙読して内容を理解した後、原文を音読。
漢文なら書き下し文を音読し、現代語訳は黙読。
慣れたら送り仮名付きの白文を、
英語と同じように頭から読んでいきましょう。

 

リズムに慣れたら文法や単語

音読するうち、なんとなく文章が読めた気分になります。
そこで次のステップに進み、文法や単語、句形を学ぶのです。


中学国文法 (学研ニューコース問題集)

この時、中学生の参考書「国文法(日本語文法)」を手元におきます。
文法を勉強するとき、必ず国文法と比較しながら行うのです。
日本語を上達させる』ためです。

英文和訳だろうが、現代語訳だろうが、
全ては「日本語の使い方や表現力」を高め、言葉に気を使っていくこと。

敏感肌ならぬ敏感言語になっていくのです。

また、文法用語がわかっていれば、
文章を書くときや解読するとき、解釈ミスを防げます。

名詞、形容詞、動詞、助動詞……
これらの違いをはっきり言えますか?

もちろん、文法を勉強するときは手書きでメモします。
体が覚えるまで頭に叩き込むのが理想です。

※ 追記

英文法は文法用語がわかったうえでやると、
構文把握や和訳などに効果が出ます。詳細はこちらの本に書いています。


改訂版 E判定からの大逆転勉強法 (中経出版)
※ Kindleで読めます。入手はこちら

 

背景知識がないと深読みできない

鬼平

原文はもちろん、現代語訳を読めない理由の1つに知識が足りないこと。
すなわち、平安や室町、江戸時代がどんな時代かがわからない。
時代は状況や政治環境、町人文化を含んでおります。
わからないから、その当時の独特の言葉が理解できない。

例えば「天皇」は現在だと日本の象徴です。しかし当時は違います。
当時の天皇は最高敬語と呼ばれるものがあるほど、
今の私たちが考えられないほど位の高い人物だったのです。

天皇を深く考えるだけでも、言葉の使い方に違いが現れます。

天皇

※ 雑記

現在の天皇の仕事は国事行為となっています。
でも国事行為って具体的にどんな仕事なのでしょう?
宮内庁のHPに内容が記されております。ぜひ読んでおきましょう。
→ 宮内庁キッズHP:国事行為について

古文漢文を勉強する際、
日本史と世界史(中国の歴史)を同時に学ぶこと。
その当時の政治や経済、文化がそこで生きる人達の考えにつながっているのです。

言い換えると、歴史と古典は切り離して考えたらダメです。
一緒にくっつけて学ぶこと。

なお、当時の背景知識を得る上で参考になる本があります。
小学生向けに漫画で描かれた伝記漫画です。

これを読んだ後に原文を読むと、作者の考え方や生き様がわかるため、
より面白くハマることができると考えています。

 

最後に問題をといて音読

誰かが怒る

最後に設問を研究します。
問題を解く前に「どうして出題者はこんな問題を出したのか?
出題者の狙いを把握するように努めてください。

古文や漢文、英文その他含め、語学勉強の肝は1つ。
「作者は何を言いたがっているのか」

そして設問を解くときの心構えは1つ。
「出題者はどんな狙いがあって、ここに問題を出したのか?」

設問を通してコミュニケーションを行っているのです。
現代文の問題に帰結します。
現代文の勉強法についてはこちらを参考

文章を和訳した後、音読するだけでなく、
あらすじや最も伝えたがっていることを掴んでください。

(なるべくなら写経しながら品詞分解を行うと、
スラスラ読めれるようになります。
設問の中には古典常識がないと、解けない問題もあります)

 

文章を書いてみよう

語学勉強はただ読むだけではありません。
書くことが醍醐味であり、最も大変な部分でございます。
文章を書くということは、語彙力はもちろん、文法や構文など、
ルールをある程度知っていないと無理でしょう。

子供も初めは声で言葉を習います。
文章で自分の意見を伝えることは出来ません。
会話で自分の意見を相手に伝えるのです。
その後、学校で文章の書き方を習います。

このように初めは音読を通して文章に慣れること。
古典に限らず、英語も同じですね。

文章を書く場合、自分で書くよりテキストを丸写しします。
丸写しをしながら、文法や語彙力などを頭に叩き込むのです。

 

慣れたら日記や小説を書いてみる

ある程度書くことが楽しくなったら、今度は創作してみましょう。

「今は昔、公園に遊ぶ稚児二人ありけり。
友と遊んでいるとき、スノーキラー来たりて、二人に息吹きかけぬ。
二人の体凍りたり。子供、ウルトラマンXに助けぞ求む」

習ったことを文章にする。
わからないところは現代の言葉にし、後で調べていきます。

「たり」は確か「つ・ぬ・たり・り」で完了の助動詞だったような……
「ぞ~」は係り結びだから、「求む」でなく「求むる」だ。
でも、「ぞ」「なむ」「こそ」だとどれが良いんだろう?
ウルトラマンXの変身方法は~

分かる範囲で文章を書いた後、
辞書を使って文法や単語を確認しながら編集します。

単語チェックはインターネットを使いましょう。
Weblio古語辞典古語辞典

自分で文章を書いた後、文章チェックを行うことで、
助動詞から助詞、文法ルールの確認ができます。

 

書いた文章を現代語訳する

うさぎと猫の絵

古文を書くことで現代語との比較もできるのです。
現代語できちんとした文章に直すと、どうなるんだろう?

「昔々、あるところに二人の子供が公園で遊んでおりました。
すると(怪獣)スノーキラーが現れ、二人に(冷たい)息をふきかけたのです。
二人の体はカチンコチンに凍ってしまい、
(心の中で)ウルトラマンXに今すぐ助けを求めたのです」

これは先程の文章を現代語に直した状態です。
自分だけがわかれば良いなら、わかるところは削ってよいでしょう。
私ならこうします。

「昔々、二人の子供が公園で遊んでいた。
するとスノーキラーが現れ、冷たい息をふきかけたところ、
二人は凍ってしまい、ウルトラマンXに助けを求めた」

実用文として考えるなら、省略した言葉を補っていきます。
文章を通して読者へ配慮できるようになるのです。

だから書いた文章は自分で現代語訳をすること。
現代語に直すことで、自分が何を伝えたかったのか?
再確認となりますよ。
(頭の中で翻訳して良く、紙に書く必要はない)

 

原文は必ず読む

ピース又吉

現代語訳版の文章と原文は大きく違います。
もちろん、現代語訳版のほうが読みやすいです。

しかし、原文はその当時の生き方や考え方、
大衆や知識人にウケるリズムや魂が言葉となって現れます。

現代語訳は確かに読みやすいのですが、
現代語訳者(翻訳者)の考え方やニュアンス、魂がこめられています。
その当時の人が考えていたことや感じたことを魂でつかむなら、
原文は必ず読んでおくべきです(たとえ意味不明でも)。

私達は文章だけでなく、文章からにじみ溢れるその人が持つ魂、
エネルギーを受け取っている
のです。

親や兄弟、先生に会ってもなんとも思わないのに、
「なんだこいつ、なんかすげえ」という人に出会うと、
気持ちが動揺し、焦った体験はありませんか?

(もし無いなら、今すぐ体験すること。
人生大きく変えるには、「すごい人」に出会うのが一番)

エネルギーは受け取る側(読者)にきちんとした器がないと、
読んでも素通りする(書いている意味がわからない)のです。

器は「古文の背景知識、文法、単語」、
そして「あなた自身の実体験や他分野の勉強」です。

例えば源氏物語を読むなら平安時代の生活様式や文化、
古典文法に単語、自分自身の恋愛体験や願望などがあると、
共感しやすく読みやすいでしょう。

※ この詳細について、樋口一葉さんについて書きました。
樋口一葉さんの文体が素晴らしい

 

翻訳も文化によって違いがある

ドストエフスキーの文章は鬼気迫るものがあります。
小説を読んでいるというより、評論文を読んでいる状態です。

私がフォローしている吉岡さんは述べています。

「日本語と英語で読むことに違いがある。
英語はくっきりで、日本語は悩みにより深く焦点を当てている

この違いは私たちがどんな文化の元で育ってきたのか?
英語圏で暮らす人々は実用文が先です。
自分の意見をきちんと伝えないと相手に伝わらない。

日本のような以心伝心文化がありません。
日本は短い言葉で完結に述べながら「推測してね」
心の文化なので、心で何となく感じることに主眼を置いています。

だから外国で「心で通じ合う」ことが日本以上に困難となり、
海外に留学する日本人の方が苦労すると聞いております。

反対に見れば、日本人は察知が上手です。
はっきり言わなくても大体わかるところが良い。

※古典を学ぶときはこの文章も参考にしておきましょう。

「見慣れた言葉でも意味が何倍にも膨れ上がり、豊かになる」

 

終わりに

昔の人は以心伝心と察知力がすごい。
時代背景を知ると「すごいやつら」が多い。

彼らに負けぬよう、古典から魂を受け取り、
どんな未来にも立ち向かって歩いて行きましょう。

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